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「三角の波」に香港の存在感が薄れる

Posted April. 23, 2009 04:19,   

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「前に進めなければ遅れてしまう(不進則退)」。中国の温家宝首相は11日、香港に向けてこのように語った。世界第5位圏の国際金融の中心地という現在のプレゼンスに満足してはいけないという、一種の警告だった。香港は敏感に反応した。香港のメディアは軒並み、「香港に危機感を招く訓示性の発言だ」とし、「きちんとツボを抑えている」という分析が相次いでいる。今年に入り、香港はグローバル金融危機のみならず、中国と台湾との全面的な交流、上海という競争都市の急浮上など、巨大な挑戦に直面している。

●両岸の3通と上海の浮上

中国と台湾は昨年末、通商(直接交易)や通航(人や物の交流)、通郵(郵便交流)の3通を全面的に実施した。祝日の際に1回飛んでいた両岸間の直行航空便は現在、毎週108便が飛んでいる。

両岸の3通を受けて、香港は旅行や貿易、運送の面で打撃を受けている。香港シティ銀行は4月初頭にまとめた研究報告書の中で、香港を訪れる中国旅行客の30%ほどが、台湾にまで足を伸ばしていると明らかにした。中国と台湾とをつなぐ中継貿易の機能も打撃を受けている。両岸の全面的な交流を受けて、今年1年間は、香港の国内総生産(GDP)の0.2%(25億元)まで損失が発生するものと見込んでいる。12年ごろは、損失規模がGDPの1%にまで増大するものと見られる。

これと共に、今年3月下旬に発表された、上海を20年まで国際金融ハブや海運ハブとして成長させるという中国中央政府の計画も、香港には心配の種となっている。上海を世界金融の中心地へと成長させるという野望は、以前からあったものの、今回はその推進力が一段と変わっている。上海市政府は1990年代初頭、同様の内容を発表し、04年も、30年までに世界金融の中心地となると明らかにした。このような念願を、今度は中国政府が受け入れ、計画も10年繰り上げられている。

同計画は、香港の危機感をあおっている。中国の英語新聞「チャイナ・デイリー」紙は15日付けで、「香港が上海に対してますます負担を感じている」と伝えた。中国大陸の一部からは、中華圏の経済規模を考慮する際、国際金融中心地は2ヶ所は必要であり、香港の懸念は行過ぎだという主張も出ている。しかし、香港中文大学・経済学科の関チャオザオ元副教授は、大公報とのインタビューで、「国際金融都市に役割分担は要らない」と語った。

香港が上海との衝突を避けるためには、国際化の水準を高め、国際金融の最先端分野を開拓し、旅行や教育などへと産業を多様化しなければならないという提言が出ている。

●10年来最悪の成長率

KOTRA・香港支社によると、08年末、複数の世界経済分析機関は、香港の今年の経済成長率をマイナス1〜1%と予測した。しかし、現在、その大半がマイナス3%へと予測値を下げている。特に第1四半期(1〜3月)は、この10年間で最悪の成長率を記録するものと見られる。ある研究所は第1四半期の成長率をマイナス6.4%と見込んだりもした。失業率もこの3年間で最高水準の5.4%を記録した。

しかし、よいニュースもある。中国中央政府が本格的に取り組み始めたということだ。温首相は18日、香港の人民元建ての債権発行の検討など、香港経済への支援のための6つの措置を明らかにした。中国政府が多方面で、人民元の国際化を推進している中に出たこのような措置を受けて、香港の金融市場は前向きな影響を受けるものと見られる。



mungchii@donga.com