Go to contents

失業手当狙った「偽の求職者」がはびこる

失業手当狙った「偽の求職者」がはびこる

Posted April. 20, 2009 08:38,   

한국어

ソウル中浪区(チュンラング)に住むコ某氏(28・女)は昨年末、結婚をきっかけにそれまで勤めていた放送局・外注制作会社を辞めた。コ氏は自ら退職しただけに、失業手当の対象ではなかったが、会社側に頼んで、「解雇」と偽って失業手当を受け取った。

結婚後も、コ氏は実は全く就職する気はなかったが、定期的に中小会社に入社願書を出した。1〜4週間に1度、労働部・雇用支援センターンに提出する失業証明書類の提出のためである。

3つの会社に最終合格していながら入社しなかったコ氏は、これを根拠に3ヵ月間、失業手当を受け取った。同氏は、「就職する気のない会社に面接に歩き回るのがすまなかった」としながらも、「受け取ることのできる失業手当は受け取ったほうがよいと思う」と話す。

●中小企業「合格させても来ない人が多い」

働く気のないまま、失業手当の受け取りのため、中小企業に虚偽に志願する事例が頻発している。中小企業に入社願書を出す志願者のうち、多くが大企業を狙ったり、就職する意志のない失業手当の受給者なので、合格しても出勤しないという。

京畿道安山市(キョンギド・アンサンシ)で金属メーカーを経営する金某社長(42)は、「今年初め、経歴社員の募集広告を出して、一人の中堅企業退職職員を合格させたが、来なかった」とし、「後で分かったことだが、周辺の工場でも数週間前、合格したが出社しなかった人だった」と伝えた。同氏は、「失業手当の受け取りのため、周辺工場を歩き回りながら志願しているようだ」とし、「物質的な被害より精神的な虚脱感のほうがより大きい」と語った。

サムファ工業代表のクク・ジョンヨル中小企業中央会・副会長も最近、ある懇談会で、「優秀な人がいて、合格させたら、言い訳を述べながら来なかった」とし、「ひどい場合は、午前に面接を受けた人に、午後から出社するよう電話をかければ、『ほかの会社に合格した』として来ない場合もあった」と訴えた。

各中小企業では、「彼らは志願者数だけ水増しして、『中小企業の求人難問題が緩和された』かのような印象を与えている」と述べ、「人を選ぶのに時間や費用がかかるだけに、防止対策を講じるべきだ」と口をそろえた。

●「ずる賢い受給者」、対策はないか?

労働部によると、失業手当の受給者数は昨年3月の29万人から、今年3月は44万5000人へと53.4%増となった。特に、景気低迷が本格化した今年第1四半期(1〜3月)は、月間基準の失業手当の受給者は毎月、史上最高の記録を更新している。この中には虚偽の受給者も相当含まれているだろうというのが、中小企業や福祉専門家らの伝言だ。

労働部関係者は、「不正受給者を見分けるため、失業手当の受給者が提出する入社願書のうち、2〜5%を選んで、雇用主などに確認を行っている」と語った。現在も、不正受給者と摘発されれば、受け取った失業手当はもとより、受取額の2倍を罰金として支払わされている。しかし、同関係者は、「虚偽の書類を提出すれば、不正受給者に当たり、処罰を受けるが、面接まで行って入社を放棄する行為は、不正受給と分類できない」と語った。

専門家らは、失業手当の受給者への政府の管理がずさんだと指摘している。

延世(ヨンセ)大学の金振洙(キム・ジンス)社会福祉学部教授は、「ドイツやオーストリアなどの欧州諸国では受給者が正当な理由なく、3、4回以上企業に合格していながら就職しなければ、労働意志のないこととみなして、手当ての支給を打ち切る」とし、「韓国は就職した後、きちんと勤めているかどうかについての事後管理がずさんだ」と指摘した。

また成均館(ソンギュングァン)大学の趙俊模(チョ・ジュンモ)経済学部教授は、「日本のように失業手当の需給対象に載れば、実態調査を徹底的に行う一方、不正受給者への処罰を強化しなければならない」と話した。



jmpark@donga.com sukim@donga.com