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「ミャンマーのボートピープル」ロヒンギャ族をご存じか?

「ミャンマーのボートピープル」ロヒンギャ族をご存じか?

Posted April. 18, 2009 02:59,   

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「国もなく、東南アジアをさまよう民族、アジアのパレスチナ人、ロヒンギャ族をご存知ですか」

14日と15日、インドネシアの観光都市バリでは、アジア約40ヵ国の外相が集まって、「ロヒンギャ」族問題を話し合った。最近、ロヒンギャ族の悲劇的な状況が相次いで浮き彫りになり、これ以上放っておけなくなったのだ。

昨年12月、タイ海軍は、自国に密入国したロヒンギャ族のボートピープル約1000人を無動力船に乗せて、公海に追放した。このうち半数以上が溺死し、約200人は漂流して、インドネシア海軍に救助された。インドネシアも、彼らをミャンマーに追放しようとしたが、国際社会の非難を浴びたため、難民キャンプに収容した。

ロヒンギャ族は、ミャンマーのアラカン地域に主に居住するスンニー派イスラム教徒だ。少なく見積もって約70万人、多くて140万人のロヒンギャ族が、この地域に居住していると推定されている。ロヒンギャ族は、自分たちが9世紀頃にミャンマーに定着したアラブ商人の子孫だと言っているが、ミャンマー軍政は、彼らが19世紀中葉に、英国によって労働者として連れてこられたインドのイスラム教徒の末裔だと言う。ロヒンギャ族は、仏教国家であるミャンマーでイスラム教を信仰しているという理由で、ミャンマーの約130の少数民族の中で最もひどい差別を受けている。

ミャンマー軍政は、彼らを自国民と認めていない。身分証も、パスポートも、土地の所有権もない。無国籍者というわけだ。そのうえ、許可なくほかの村に移動することもできない。このため、ミャンマーを脱出したロヒンギャ族は、軍人がいつも村を襲ってくると証言している。

数十万人のロヒンギャ族は、迫害を逃れて、78年と91年の2度に渡って、隣国のバングラデシュに逃げた。バングラデシュは、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の支援を受け、彼らを2ヵ所の難民キャンプに収容しているが、ここには仕事も学校もなく、一日一日地獄のような生活をしている。ミャンマーとバングラデシュに住むロヒンギャ族は、この状況から抜け出すために、命をかけてボートピープルになるが、どこに行っても迫害を受ける。そのうえミャンマーは、自国民ではないという理由で、彼らの送還を受け入れていない。このため、タイとミャンマーの国境地帯の難民キャンプでは、約10万人のロヒンギャ族が、いつ終わるとも知ぬ日々を過ごしている。

ロヒンギャ族問題は、2月末にタイで開かれた東南アジア諸国連合首脳会議でも取り上げられたが、ミャンマーが、「国内にロヒンギャという民族は存在しない」と断言したことで、何の合意にも達しなかった。ロヒンギャ族は、今もボートピープルになって、東南アジアの海を放浪している。



zsh75@donga.com