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[オピニオン]タイの赤・黄・青

Posted April. 14, 2009 11:15,   

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今度は赤い服だ。タイでタクシン・チナワット元首相を支持する反政府デモ隊が、赤い服で行動に乗り出した。先週末、「東南アジア諸国連合(ASEAN)+3(韓日中)」の首脳会議が中止になった上、市内各地が「解放区」と化し、政権退陣とタクシンの帰国を要求している。昨年末、政権が変わる前にタクシン政権に反対する反政府デモ隊が、黄色い服装で空港を占拠し、とうとう政権退陣の要求を貫いた。

◆タイで黄色は、国王の象徴だ。昨年、デモを主導した現政権は、王室と王室を保護する軍、エリート官僚と企業家、都市の中・上層を代弁する。問題は、彼らが農村や地方の低所得層を信頼していないということにある。彼らの「新政治」は1人1票に反対する。議会は指名された議員で構成すべきだという主張だ。田舎者は、責任ある投票をするほどの知性と知識が足りないという理由からだ。平たく言えば、国民総選挙で、再びタクシン派が多数党になり、タクシンが首相になることは容認できないということだ。

◆タクシン氏は01〜06年の在任期間、年平均6%を越える経済成長をけん引した「タクシノミックス」の主役だ。農村で無料に近い医療サービスと教育、負債の帳消し、雇用支援などを積極的に実施し、タイをアジアで都市と農村の格差を縮めた唯一の国。彼のポピュリズムと独裁的な統治行動が、既得権層を刺激しなかったわけがない。ちょうど明るみになった汚職と不忠に国王が背を向け、06年9月、クーデターによって追い出された。問題はタクシン氏を支持する有権者が相変わらず多いということだ。彼らが今度は赤い服で登場したわけだ。

◆昨年、米国産牛肉の輸入問題を巡り、輸入反対を掲げた集会が世宗(セジョン)路を「解放区」にし、ニューズウィークは「1暴徒1票(One Mob, One Vote)」という記事で、「民主主義の過剰が国益を損ねる」と指摘した。かつて独裁に抵抗したやり方で、街頭へ飛び出すのは未熟な民主主義だとし、わが国とタイを取り上げた。幸い、今わが国で暴力デモは白い目で見られ、1人1票の民主主義の原則は確立している。タイでは赤い服が消えると、青い服(タクシンから現政権へ回った勢力)が登場するところだという。どの色が正しいかは、他国の人が判断し難い。決定は街頭ではなく投票場で下すのが、望ましい。

金順徳(キム・スンドク)論説委員 yuri@donga.com