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[オピニオン]日本の軍事大国化を煽る北朝鮮

[オピニオン]日本の軍事大国化を煽る北朝鮮

Posted April. 08, 2009 06:10,   

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日本の自衛隊が、訓練ではない「実際の状況」で初めて発砲したのは、創設45年目の99年3月だった。海上自衛隊は、北朝鮮の工作船と推定される船舶2隻が日本の領海を侵犯すると、20時間にわたって追撃戦を繰り広げ、機関銃約1300発を撃った。タブー視されていた自衛隊の発砲という「パンドラの箱」が開けられた瞬間だった。その時、自衛隊幹部出身の自民党の中谷元議員は、「50年ぶりに訪れたチャンス」と喜んだ。

◆第二次世界大戦後、日本で軍備強化を主張することは、極右勢力の専有物と考えられた。このようなムードを変え、軍事大国化の道を開いた「第一の功臣」が北朝鮮だった。日本は、98年に北朝鮮がテポドン1号を発射すると、情報収集衛星の発射計画と戦域ミサイル防衛(TMD)の研究開発計画を確定した。北朝鮮の領海侵犯事件は、自衛隊の兵器使用の範囲拡大と新日米防衛協力関連法の制定を招いた。北朝鮮が、06年にテポドン2号を発射し、核実験を強行すると、日本は翌年、防衛庁を防衛省に昇格させた。

◆最近、日本列島の上空を通過した北朝鮮のロケット発射で、日本は再び沸き立っている。軍備強化はもとより、「平和憲法」を改正し、自衛隊を自衛軍に変えるべきだとする声も高まった。意気盛んな保守勢力は言うまでもなく、韓国の民主化以前に北朝鮮に好意的だった中道左派勢力も、一斉に北朝鮮を攻撃している。日本の軍事大国化を警戒してきた朝日新聞も6日付で、「北朝鮮ミサイル発射」というタイトルの1面トップ記事や、「北朝鮮ミサイル—国際結束で脅威を抑えよ」というタイトルの社説など、7面にわたって北朝鮮の行動を批判的に扱った。

◆北朝鮮政権はともすれば「民族」を云々する。しかし、北朝鮮の相次ぐ軍事挑発は、韓国に対する直接的な脅威であるとともに、過去我が民族に痛恨の傷を負わせた日本の国家主義と軍事大国化を煽る反民族的行為である。北朝鮮に巨額の「裏金」を与え、結果的に核とミサイル開発を支援した「10年間の左派政権」と、北朝鮮住民の劣悪な人権状況には目と耳を塞ぎ、北朝鮮政権の主張をオウムのように繰り返す一部の偽善的な「従北」勢力も、北朝鮮の軍事挑発が誰の利益になるのか、はっきりと見なければならない。

権純活(クォン・スンファル)論説委員 shkwon@donga.com