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[オピニオン]ロンドンでG20

Posted March. 17, 2009 09:23,   

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あの時も、経済危機の克服のため、国際会議が英ロンドンで開かれた。66カ国が出席した会議の議題は、通貨協力や貿易障壁の撤廃だった。しかし、なかなか結論が出なかった。3ヵ月前、就任したフランクリン・ルーズベルト米大統領が、大西洋の彼方からOKを示さなかったためだ。ルーズベルトは、マクドナルド英首相をはじめとした代表らを、夜通し待たせた後、ようやく「米国は、国内の経済システムを立て直すことが最優先だ」という電報を送った。彼の答えは「ノー(No)」という意味だった。

◆大恐慌が猛威を振っていた1933年6月、ロンドンで開かれた「通貨及び経済問題に関する国際会議」はこのように失敗に終わった。失業率が25%にまでなった米国としては、国際競争力回復のため、ドル安が切に求められていた。ヨーロッパは憤り、大恐慌はさらに長引いた。ドイツやイタリア、スペインやベルギーなどが国粋主義や国家社会主義を混ぜ合わせたファシズムへと突っ走った。韓国語では「何はともあれ、自分だけ生き残ればいい」、西洋の諺では「自分の隣人を物乞いにせよ(Beggar-thy-neighbor)」という保護主義の背後にあったのは、第2次世界大戦だった。

◆来月2日、世界的な金融危機の克服のため、国際会議がロンドンで開かれる。今回は20ヵ国だけが参加するG20である。100年に一度の経済危機の克服のための会議が、こともあろうに76年前、「失敗した国際経済協力会議」が開かれたロンドンで開かれるのか、単なる偶然だろうか。特に、来年の総選挙を控え、支持率が下落し、苦心するブラウン英首相は、会議の結論が「自分だけ生き残ればよい」になるか、その逆になるかによって、運命まで異なる羽目に置かれている。

◆今の危機が恐慌にならないためには、G20会議の成功は重要である。景気浮揚策から金融体制の整備に至るまで、国際的な協力が切に求められている。映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のように、過去へと戻って現在を正すことができれば、1933年のロンドン会議でルーズベルト大統領は、このような電報を打つべきだった。「米国は、国際経済システムを立て直すことが最優先だ」。もしかしたら、09年の会議もそのため、ロンドンで開かれるのかも知れない。バラク・オバマ大統領は今度こそ、はっきり述べなければならない。米国は、自由貿易に基づき、世界経済を蘇らせることが最優先だと。

金順鄹(キム・スンドク)論説委員 yuri@donga.com