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金融危機がさらに深刻化している理由は…

金融危機がさらに深刻化している理由は…

Posted March. 04, 2009 07:43,   

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世界的な金融危機が改善するどころか益々深刻さを増している理由は何だろうか。昨年9月、「リーマン・ブラザーズショック」が起きて以来6ヵ月が経ったが、危機は相変わらず広がる一方である。それもさらに広く、さらに深まっていて、その行く末が分からないほどだ。

今年の下半期から解決局面に転じるという楽観的なシナリオは密かに出番をなくした。昨年末までも内外の専門家らは金融危機が09年上半期に収拾し、実体景気へ関心が移ると予想したが、今世界経済は投資銀行(IB)よりずっと規模の大きい商業銀行の経営悪化に悩まされている。

さらに米国に続いて東欧州が新しく危機の震源地に浮上し、状況をさらに悪化させている。

●増える不良資産、拡大する悲観論

米国と欧州の主要先進国は当初、経営が悪化した金融会社に公的資金を投入すれば、金融危機が一段落すると期待していた。しかし、予想と違って、請求書の金額は雪だるま式に増えている。米国政府は破産の危機に追い込まれた保険会社AIGを救済するため、昨年9月以後、1500億ドルを投入したものの、AIGはこのお金を全部使っても史上最大の赤字を出した。結局、米国政府は2日(現地時間)、同社に対する4番目の救済金融計画を発表した。

米国政府の「底の抜けたバケツに水を注ぎ続ける」姿勢は、シティグループを含めた商業銀行への支援過程でも繰り返されている。米国政府は銀行の負債に対する支払い保障に続き、銀行当たり250億ドルずつ主要銀行の優先株を買い入れて火を消そうとしたが、それでも不良資産が減らないと、結局、銀行の国有化という切り札を突き出した。

当初の予想をはるかに上回る巨額が投入されても状況が収拾へ向かわないことを受け、市場では「統制不可能な状況ではないか」という懸念が高まっている。このような不安感は、米国のダウ工業指数7000台割れをもたらし、株価を12年前の水準に戻してしまった。世界的な金融会社が海外で先を争って投資資金を回収していることから、韓国など新興国の外国為替市場の変動幅は拡大している。

金融部門の健全性悪化は今も随所で発生している。実体景気の低迷が家計と企業の財務構造を悪化し、これは金融会社の実績悪化につながった。「金融危機→実体景気の低迷→金融部門の不良資産の拡大」の輪を断ち切るには、実体景気が上向かなければならないが、最近発表される主要国の景気指標は連日最悪の記録を塗り替えている。

ウリィ金融持ち株会社のソン・テジョン首席研究委員は、「危機の始発点の米国の不動産価格は06年から2年半間バブルがはじけているが、まだまだその末が見えない。資産価格が下がり続けているため、健全だった資産まで不良資産と化している」と述べた。

●独りだけが生き残ろうとして、共同の危機がエスカレート

危機が拡大してばかりいる中、最初はうまく行くかのように見えた国際協力にもヒビが入った。東ヨーロッパに対して欧州連合(EU)が一括救済金融を行う案が一部メンバー国の反対で霧散したことを機に、東—西ヨーロッパ間で政治的な葛藤まで浮き彫りになっている。先進国は景気浮揚の財源を確保するため、それぞれ大規模の赤字国債を発行して、新興国のドル不足を深めている。

専門家らは「各国が自国だけが生き残ろうとしたため、共同の危機をさらに拡大させた格好になった」と指摘する。全国経済人連合会のペ・サングン経済本部長は、「経済論理で言うと、つぶれる会社は早くつぶれるのが筋だが、米国はかえって不渡り直前の自動車産業を支援している」とし、「主要国が保護貿易主義の傾向を示しているのも危機をさらにエスカレートさせた要因だ」と説明した。



jarrett@donga.com baltika7@donga.com