最近、ソウルと釜山(プサン)地域の観光業界に、日本人熱風が吹いている。さらに、一部の大都市では、キムチチゲやテンジャンチゲまで、日本人観光客の好みに合わせて料理法を変えるレストランが急増している。日本語が話せる職員を採用することは基本だ。
円高で、韓国にショッピング観光に来る日本人が急増し、このように百貨店やホテル、レストランなど、旅行関連業界が「特需」を享受している。
法務部によると、1月に韓国を訪れた日本人は総23万7192人で、同月の全体入国者の44%にのぼり、昨年同期に比べて55.6%増加した。
●百貨店、ホテル、レストラン・・・うれしい悲鳴
ソウル中区小公洞(チュンク・ソゴンドン)のロッテ百貨店本店は22日、先月、日本人による商品の購入が91億ウォンにのぼったと明らかにした。ロッテ百貨店本店の先月の全体売上げの7%を占める金額だ。特に、日本人観光客は、このうち65億ウォンをブランド商品に使った。
新世界(シンセゲ)百貨店も、日本人観光客の購買金額が、全体の売上げの約6.3%を占めたと明らかにした。
高級ホテルは、増加した日本人観光客で、思いがけない「好況」を迎えている。大半の主要ホテルの客室稼働率が90%を上回り、このうち日本人宿泊客の割合が約50%を占める。
小公洞のロッテホテルソウルは、全体客室の半数以上である64%が日本人観光客で埋まり、隣にあるウェスティン朝鮮ホテルも、今月に入って、宿泊客の約40%が日本人観光客だ。
パラダイスホテル釜山は、昨年末から、日本人観光客が増加して売上げが30%以上増え、1月には全職員に100%のボーナスを支給した。釜山ロッテホテルも、客室稼働率が20%以上増え、免税店の売上げも2倍以上増加した。
レストランも、日本人客で大繁盛だ。明洞(ミョンドン)近隣の観光案内所で配布される外国人用の広報パンフレットにおいしい店と紹介されたレストランは、韓国人より日本人客が多い。
明洞のある有名なカルククス店は、昨年12月から、午前10時30分に開店すれば、すぐに日本人客が押し寄せ、全テーブルの約50%を埋める。
明洞で、Bサムゲタン店を運営する李サンヨルさん(67)は、「日本人客が全体の半数以上で、売上げも約70%を占める」と話した。
ソウル明洞、江南区鴨鴎亭洞(カンナムク・アプクジョンドン)や新沙洞(シンサドン)および釜山西面海雲台(ソミョン・ヘウンデ)などの一部レストランは、料理に唐辛子粉と塩分を減らす代わりに、味を少し甘辛く調節して、日本人の好みに合わせている。
●通訳サービスを強化
このため、日本人観光客の便宜のための関連業者のサービスも強化されている。百貨店などでは、随時、日本語の案内放送を行い、日本語の案内パンフレットをエスカレーター周辺に配置している。
ロッテ百貨店は、このほかにも、日本語の専門通訳を地下1階と地上1階の案内デスクに常駐させるほか、日本語ができる職員がいない売場では、電話で通訳する「フィッカーフォンサービス」も実施している。
新世界百貨店も、日本語ができる職員約10人の連絡網を共有し、通訳が必要な場合はいつでも助けることができるように管理している。
ソウル江南区論硯洞(ノンヒョンドン)のDサムギョプサル専門店の場合、日本人観光客の割合が半数を占め、日本語会話が可能な職員を募集している。
観光商品の提携や案内パンフレットに掲載して、日本人観光客を呼び込もうとする動きも増えている。
ある旅行会社関係者は、「マッサージ店などのサービス業者や整形外科などから、『日本人観光客を対象に旅行商品を開発したり、観光案内書に紹介する方法はないか』という問い合わせも、最近増えている」と話した。
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