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[社説]水不足は国家的な難題だ

Posted February. 12, 2009 07:48,   

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各地方自治体間で繰り広げられている「水を巡る対立」が尋常でない。釜山市(ブサンシ)と慶尚南道(キョンサンナムド)は、南江(ナムガン)ダムの水を巡って対立している。龍潭(ヨンダム)ダムの水使用を巡っては全羅北道(チョルラブクド)、大田市(テジョンシ)、全羅南道(チョルチョンナムド)間の対立が続いている。主要河川の汚染拡大や水使用量の増加により、飲み水が不足し、1999年から昨年までの10年間、水にまつわるトラブルが全国で52件発生していたことが集計結果で分かった。目前の紛争の解決はもとより、根本的な対策作りが急がれる。

世界は今、水資源の確保に余念がない。トルコとシリア、アンゴラとナミビア、エチオピアとエジプト、中国とインド、ヨルダンとイスラエル間では国家間の水紛争が激化している。大量虐殺が行われたスーダン南部のダルプールの悲劇も、水不足やこれによる農地の縮小が主な原因だった。国連は、21世紀半ばには60ヵ国で70億人が水不足による苦痛を強いられるだろうと予測した。水資源を巡る対立は、テロやエネルギー不足に劣らぬほどの危険性をはらんでいる。

06年、建設交通部の調べによると、わが国の国民1人あたりの使用可能な水量は、1512立方メートルである。1人あたりの使用可能水量が1000〜1700立方メートルなら、「水不足国家」に該当する。年平均降水量のうち、利用される水はわずか27%だ。にもかかわらず、どの先進国よりも、飲んだり、洗ったり、食べ物を作ったりすることに水の無駄遣いが激しい。

水不足が深刻化すればするほど、自治体間の揉め事もさらに頻繁になるだろう。早速、今冬の深刻な干ばつは対立を大きくする恐れがある。国レベルで水関連基本法を制定し、必要なら水資源を統合・管理する機構も立ち上げなければならない。法的・制度的な対策作りのため、中央政府と自治体とがしっかりと議論するべきである。

究極的には、きれいな水の供給を増やさなければならない。韓国は年平均降水量の3分の2が夏場に集中するだけに、水を流さず貯蔵する能力を強化するのが急務である。政府は、水の備蓄に役立つダムの建設を積極的に検討すべきだ。ダムが環境に及ぼす影響を綿密に検討すると同時に、客観的な根拠の弱い反対に振り回され、時間だけ引き伸ばしてはならない。主要4河川整備事業は、主要河川の水質を改善にも役立つだろう。国民も「足元の火」となった水不足問題の深刻さを認識し、日常生活で無駄遣いを減らさなければならない。