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[オピニオン]ゴールドマンサックスと投資家保護

[オピニオン]ゴールドマンサックスと投資家保護

Posted February. 06, 2009 09:14,   

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「ゴールドマンサックスで市場経営や経済学について学んだだけでなく、経営や人間の本性についても学んだ」。ゴールドマンサックスで26年間働いた後、クリントン政府で財務長官を経験したロバート・ルービン氏がこのように振り返るほど、ゴールドマンサックスの存在感は大きい。11年前の通貨危機当時、米財務長官としてアジア諸国の運命を牛耳った同氏は、ゴールドマンサックスにいたからこそ政界や行政府に進出することができたと述懐した。ブッシュ政府の最後の財務長官として、リーマン・ブラザーズの倒産以来、その後片付けのために議会に跪いたヘンリー・ポールソン氏も、同社の最高経営者出身だ。

◆ゴールドマンサックスやモルガン・スタンレー、メリルリンチのような米投資銀行は、11年前の通貨危機の際は韓国にとって羨望やねたみの対象だった。ドル不足で売りに出した韓国の優良企業や不動産を相次いで買い付けては、膨大な収益を上げる彼らを見て、正直腹が痛かった。韓国にもゴールドマンサックスに匹敵する投資銀行が一つでもあれば、というのが悲願だった。資本市場統合法(資統法)が制定されたのは一言で、韓国も「韓国版ゴールドマンサックス」を設立して、海外でも大言を吐きながら高収益を上げることが目的である。

◆大手企業はすでに昨年から、証券会社を我先にと買い付けている。資統法の実施で各証券会社では証券業務はもとより、先物の販売やファンドの運営までできるようになり、金の卵を産む鶏のように人気を集めた。銀行や保険を除いた全ての金融業務のできる金融投資会社を持つようになれば、銀行を羨んだりしないはずであった。しかし、米国有数の投資銀行であるリーマン・ブラザーズの破産以降、投資銀行が相次いで没落した。

◆ファンドに投資して「ファンド痛」を患っている国民に、資統法や金融投資会社の話など耳に入るはずがない。そのためか、投資家保護を強化すると主張した。各証券会社が客の投資性向を把握してそれに合う投資だけ勧めるので、安心して投資せよ、ということである。一昨日、新投資家保護条項に基づいて営業を行った初日、各証券会社はまだ準備ができておらず、職員らは慣れていない様子だった。投資家らの責任もあるが、投資家への保護が足りなければ、新たに発足する金融投資会社の先行きは明るくない。米投資銀行の相次ぐ倒産は、ゴールドマンサックス以上の韓国型投資銀行のモデルの必要性を示している。ゴールドマンサックス流より優れた投資家保護まで含めた対策が必要だ。

朴永均(バク・ヨンギュン)論説委員 parkyk@donga.com