Go to contents

[オピニオン]美術と税金の鬼ごっこ

Posted September. 08, 2008 08:27,   

한국어

世界的な美術市場でアジア美術の成長振りが目立っている。3、4年前まではあまり注目されなかった中国の現代画家らがいつの間にか、「有名な身分」となった。昨年、世界オークション市場で一番の高値で取引された100人の生存画家のうち、36人が中国人画家だった。中国内の美術品のオークション市場の取引額は昨年は3兆2000億ウォンで、米国や英国についで世界3位へと躍り出た。日本の追撃も馬鹿にできない。最近、日本の村上隆の作品がサザビーズオークションで1516万ドル(約166億ウォン)で売られ、再び注目を浴びている。

◆韓国の美術市場は昨年、異例的な好況に見舞われたものの、競売市場全体の取引額は2200億ウォンに止まった。中国や日本との「三つ巴」を展開するためには規模が小さく、今年に入ってからは経済事情が悪化し、市場が急速に冷え込んでいる。さらに美術品へ譲渡税の導入という悪材料が登場した。最近、企画財政部は4000万ウォン以上の個人所蔵の美術品に対して譲渡差益の20%を税金として課すと明らかにした。美術界では、「譲渡税の課税で取引が萎縮すれば、画家らの創作環境はさらに厳しくなるだろう」と反発している。

◆米国では個人が美術品を1年以上保有した後販売して差益を手にすれば、ほかの資本所得と合計して8˜28%の課税を行っている。英国では同様のやり方で10˜40%の課税を行っている。所得が発生するところに税金を課すのは当然のことだが、韓国の美術界の環境は依然として厳しい。韓国の美術品の競売市場は初期段階であり、まだ多くの取引が闇で行われている。一つ一つ取引事実を見つけ出しては税金を課すことも大変なことだ。ぜいたく品である美術品の購入が日常的なこととなっている先進国とはさまざまな面で、同じレベルだとはみなしづらい。

◆現状での美術品への課税が文化全般にいかなる影響を及ぼすかについても考えてみなければならない。未来の芸術家の卵らは大学4年生になれば、進路の変更を深刻に考えるほどだ。卒業後、ただちに生計を心配しなければならないほど、文化界の事情が悪化しているためだ。世界の美術で東洋的な感性が花を咲かせようとしている矢先であるだけに、政府も環境の造成に力を貸すべきだろう。美術品への課税は美術市場の規模が増えてから導入したて遅くない。ややすれば、小を貪って大を失うことになるのではないか気になる。

洪贊植(ホン・チャンシク)論説委員 chansik@donga,com