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休戦ラインは今…将兵たちは黙々と鉄柵の前に立つ

休戦ラインは今…将兵たちは黙々と鉄柵の前に立つ

Posted December. 30, 2005 03:21,   

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「銃器、弾薬、異常なし!初戦撲殺」

27日の夜、江原道鉄原郡(カンウォンド・チョルウォングン)にある陸軍最前方部隊のある哨戒所。小銃と実弾で武装した将兵たちの喊声が、凍りついた夜空にこだましていた。温度計のメモリは氷点下18度を示していた。しかし、吹き荒れる猛烈な風のせいで、体感温度は氷点下25度以下までに下がっていた。

骨の髄まで凍りつくような寒さだったが、哨戒所から数十メートル離れた非武装地帯(DMZ)の有刺鉄柵警備勤務に投入された将兵たちの姿は、少しも乱れることがなかった。

鉄柵越しのDMZを厳しい目線で見張ったハム・ソンウ一等兵(22)は、「ここから(南北)軍事境界線までは2kmに過ぎない。夜間警備に当たる時は、全身の感覚を使って敵の侵入に備えている」と語った。

今年、軍は銃器乱射事件、訓練所人糞事件など相次ぐ悪材料で厳しい世論の批判を受けた。社会の一部からは時代の変化に取り残された軍に冷ややかな視線が送られ、「軍隊なんて行くべきところでない」という、いわゆる「嫌軍」ムードが広がる動きもあった。

しかし、神聖なる国防の義務を果たそうと、国の命令に応じた将兵たちは、溶炉のように熱い若さで寒波に立ち向かい、黙々と休戦ライン155マイルの鉄柵を守っていた。

至るところに設置された「指示不履行時は発砲」という表示の警告文と、静寂を破って、時たま鉄柵越しから聞こえてくる北朝鮮軍の砲声とDMZの野生動物が踏んだ地雷の爆発音は、ここが南北が対峙する最前線であることを悟らせた。

小隊長の金ヒョウン少尉(25)は、「鉄柵警備には祝日も休みもありません。状況が発生すれば夜を明かすことの毎日だが、自分の親兄弟を最前線で守っているんだという気持ちで隊員たちは固く団結している」と話した。

過去の最前線部隊は、劣悪な勤務環境に暴力や苛酷行為が絶えない所と認識されてきた。しかし、兵営現代化作業とともに、軍が過去の弊習追放に乗り出してから、ここ数年の間、兵営の姿も大きく変わった。

昨年から現代化が進んでいる最前線の哨戒所には、冷暖房装置や広いベッド付きの宿舎、水洗式トイレ、衛生的な食堂、衛星放送受信施設などが取り揃えてある。

チェ・ジャンウク兵長(23)は、「旧式の兵舎では床の上で直接ざこ寝していたし、真冬でも冷たい水で洗髪しなければならなかったのだが、今はお湯でシャワーをあびることができる」と言った。

また新世代将兵たちの好みに合わせて、トンカツ、豚肉カルビ、サムゲタン、スパゲッティが提供されるなどメニューも多様化した。

わずか数年前でも、新兵が兵舎でテレビリモコンに触ったり、笑うことは考えられなかったが、最近は日課が終わった後には最大限に個人活動が保障されている。食事を終えた将兵たちは本を読んだり、筋トレやゲームを楽しんだり、哨戒所内部に設置された電話で家族と通話をするなど、自由に時間を過ごしている。

ある先輩兵士は、「自分が一等兵の時までは(先輩たちに)殴られることがあったが、今はほとんどなくなった。この間友人からの手紙に、先輩になって『君臨』するようになった気持ちはどうだと書いてあったので、後輩兵士たちに見せたらみんな笑っていた」と話した。

28日午前6時半の午前点呼。兵営に流れる音楽に合わせて、エアロビックを応用した兵営ダンスでウオーミングアップした将兵たちは、吼えるような力強い声で軍歌を歌いながら、まっ暗な練兵場を走り出した。

将兵たちが最前線の夜明けを告げている間に、宿舎の中を覗いて見ると、片隅にかけてある額縁の詩が目に入った。将兵たちが自らを引き締めるためにかけておいたもののようだった。

「毎晩君の一日を顧みよ…そして君の愛する人を、君のお母さんを、幼年時代を思い出せ…君は初々しい者になって、新しい日を明るい気持ちで、ヒーローとなって、勝利者として始めることだろう」(『毎晩君の一日を顧みよ』ヘルマン・ヘッセ)



ysh1005@donga.com