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[オピニオン]移動授業

Posted December. 29, 2005 03:01,   

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教員評価制に続いて、「水準別移動授業」が全国教職員労働組合(全教組)と教育当局の間で新しい争点に浮上した。教育人的資源部(教育部)が来年から中高校の英語・数学の教科で移動授業を拡大すると発表したことを受けて、全教組は「断固たる拒否闘争」を宣言した。試験の点数によって差別教育をする不平等教育であり、私教育を深化させるというのが全教組側の論理だ。

◆勉強のできる生徒とそうでない生徒を同じ教室に座らせて教えるのが従来の標準化授業だとすると、移動授業は生徒を目線に合わせ、分けて教えることだ。教育の下方標準化の懸念をある程度認めた教育当局が打ち出した補完策だ。ところが、全教組は再び政府が力点を置こうとする教育政策に正面対決を宣言したわけだ。

◆子どもの教育は親と国に共同に与えられた課題だ。憲法裁判所は「親は学校の外で、国は学校内で子どもを教育する権限を持つ」と解釈している。教員労組が事あるごとに教育政策の足を引っ張るのは、国が国に必要な学校教育を追求する権限を深刻に阻害することだ。教育部長官が教員労組と直接団体協約を締結するように規定して、労組に力を上乗せする国は、韓国がほとんど唯一だ。教員労組が教育政策に口を挟めないようにし、勤務条件の向上といった労組固有の活動に止まるように法律の見直しを急がなければならない。

◆どの生徒も満足させられない授業が、学校を「眠るところ」に転落させてしまった。教師は80点をもらう生徒と40点をもらう生徒が一緒に学ぶ教室では、中途半端な中間水準にレベルを合わせるしかない。移動授業は、授業の成果と満足度を高めて、80点もらう生徒は90点がもらえるように、40点もらう生徒は60、70点もらう生徒にさせよということだ。全教組は「優劣班の編成」だとして、「差別」と「不平等」を問題視しているが、現在の学校の授業がかえって不平等を深化させるという事実を知らない人はいない。移動授業は塾に通えない低所得層の生徒に実質的なプラスになり、全体の私教育費も減らすことができる。国民の「良い教育を受ける権利」が、全教労の辞書にはない。

洪賛植(ホン・チャンシク)論説委員 chansik@donga.com