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[オピニオン]男の涙

Posted December. 24, 2005 03:00,   

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「努力と節制、包容力、人間愛…そして厚い面の皮です。」先月、韓国を訪れたニュージーランドのヘレン・クラーク首相は、女性指導者の条件をこのように述べた。「厚い面の皮」の徳目には、他人の前で泣かないことが必ず含まれる。感情的なので大事は任せられないという心証を与えるためだ。ドイツのアンゲラ・メルケル首相や、2008年の米民主党の大統領候補に有力なヒラリー・クリントン女史は強いという評は聞いても、弱いという評は聞かない「面の皮の厚い」女性である。事業家のマーサ・スチュアート氏は、「職場で生き残るには、トイレでも泣いてはいけない」と言った。

◆男の涙は珍しい。ホルモンやるい腺といった生理的な違いであれ、産業革命後、「感情を節制してこそ生産性が高くなる」と学んだからであれ、古今東西、英雄像にはすすり泣く姿は想像できない。英雄の涙は、むしろ偽善的な「鰐の涙」と思われる。しかし、珍しい男の涙であるがゆえ、かえって人間的に受け取られる逆説も可能だ。01年の9・11テロを収拾したニューヨークのルドルフ・ジュリアーニ市長や、02年の大統領選挙の広告で盧武鉉(ノ・ムヒョン)候補が、涙を見せて人々の支持を得た。

◆金寿煥(キム・スファン)枢機卿の涙は、また違った重さで迫る。平和新聞のクリスマス特別対談で、黄禹錫(ファン・ウソク)事件について言及し、金枢機卿は、「韓国人が、世界の前に顔をあげられない恥ずかしい…」と、言葉を続けることができず、頭を下げたまま大きな涙を落とした。「今回のことを機に、私たちがこれまでどれほど不正直に生きてきたのか、また真実に背を向けて生きてきたのか、ふり返らなければならない。

◆『感情的な男』を書いたグレン・ハンドラーは、「男の涙は、その人の普段の姿によって評価される」と言った。「龍の涙」が感動的なのは龍が泣いたからであり、うわばみなら慟哭してもいい反応は得られない。今回の事態を私たち皆の問題として考えようという枢機卿の深い思いに頭が下がるのも、このためだ。今回の事態に、過ちを犯した誰かも、どこかで痛恨の涙を流しているだろうか。

金順徳(キム・スンドク)論説委員 yuri@donga.com