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[オピニオン]仁荷大学数学科の教員たちの勇気

[オピニオン]仁荷大学数学科の教員たちの勇気

Posted December. 08, 2005 02:59,   

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東洋では、教育を「鳥が孵化して出てくるプロセス」とみなした。卵を抱く母鳥は、ひな鳥が外に出るべきときを、本能的に知っているという。このとき、母鳥が外から口ばしで卵をつつくと、ひな鳥も卵の中から、一緒につつこうとする。このような互いの努力によって初めて、鳥はこの世に出る、というわけだ。教育が教える側と学ぶ側の相互作用と交感を通じて行われるべきことを強調したものだ。

◆ソクラテスは、弟子を教えるときに討論式の授業を行った。彼は「一部の宣伝師たちは、盲人の目に視覚を与えるように知識を入れこむことができると話しているが、教育はそういうものではない」と叱った。ときは現代に至り、教育は教える側の都合を中心として進められた。一度に多くの学生を教える場合、一方的なつめこみ式の授業は不可避だが、正しい方向ではない。

◆国内大学の講義評価制度がいち早く定着しつつある。学生が教授を評価する同制度は、授業内容に対する学生の反応を把握するための現代的な意思疎通の方法だ。教員たちにとっては喜ばしいことではないかもしれないが、よりよい講義を試みるという主旨で、共感が形成されている。仁荷(インハ)大学数学科の教員たちは、来年から講義評価の結果を公開することを明らかにした。これまで、講義評価の結果は秘密にされてきたので、これは初めての事例だ。この大学の学生たちは、教員たちが前学期の受講生からどんな評価点数を受けたかを把握して、受講申請を行うことができる。保守的雰囲気の強い国内大学にあって、教員たちの努力は高く評価できる。

◆小・中・高校の教員評価制度も、教員たちが無条件に反対することではない。教員たちは、学生たちに人気のある教師が高い評価点数をもらうはずであり、そうなっては正常な教育が不可能だと主張する。しかし、大学の講義評価制度ではこのような先入観とは違い、「実力があって講義のうまい教員」が「口達者の教員」「いい成績をくれる教員」より高い点数をつけられるという結果が出ている。立派な師とはだれなのか、学生のほうがよく知っているのだ。

洪贊植(ホン・チァンシク)論説委員 chansik@donga.com