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「鍼」を知ろう

Posted November. 28, 2005 05:44,   

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一時、痛みを治療する筋肉内刺激治療(IMS)をめぐり、医学界と漢方医学界が互いに「縄張り争い」を展開した時期があった。両方の主張はどちらも一理ある。鍼による治療だったが、現代医学がそれを補完していたためだ。

鍼術が再び注目を集めている。米食品医薬局(FDA)と世界保健機関(WHO)も針術の効果を認めるほどだ。

現代医学からは、針術に対して神経学的に接近する。鍼が神経を刺激すると、脳にその刺激が伝わり、エンドルフィンなどのホルモン分泌に影響を及ぼすという仮説だ。一方、漢方医学では、気と穴の通路である経絡を刺激して通すことで、病気を治すと解釈する。原理に対する理解は、現代医学と漢方医学で異なるが、効果を認める点では一致している。

●鍼の効果…30分ほど経絡を刺激し気を通す

1回か2回程度の鍼で病気が完治するという宣伝は、信用してはならない。東西古今を問わず、そのような奇跡の治療法は存在しない。

漢方医学では、鍼の効果を水の流れにたとえる。1回や2回、水を通したからといって、一気にきれいになるわけではない。同様に、気を通すためには、最少3回は鍼を打つ必要がある。病気によって15〜20回ほど必要になる場合もある。鍼を打つ頻度は、通常2、3日置きがよい。

一部の針術を除いては、大体30分ほど鍼を刺したままにする。気が身体中を一回りするのに30分ほどかかるためだ。鍼の刺激を与えれば、アセチルコリンという神経伝達物質が15分後に分泌され、30分後に止まるため、現代医学の観点からもある程度合っている。

胃がもたれる時などに指先を針で刺すと、黒ずんだ血が出て、すっきりした感じになる。黒ずんだ血は、酸素の供給が円滑ではなく、濁ってしまったものであり、その血を取り出せば、気がきれいに通るというのが、漢方医学的な解釈である。

●鍼に関する疑問…手術・出産など大量流血した際は禁物

鍼を打ってすぐ入浴することはよくない。鍼を打った後は、疲れを感じたり、刺した箇所に感染が生じる恐れがあるためだ。お風呂には最少2時間は経ってから入ることにする。

治療を終えて鍼を抜いたら、血が出たりする時がある。悪い血が抜けたと思う人もいるが、そうではない。鍼によって毛細血管に傷がついたもので、厳密には、漢方医師のミスだといえる。大きな副作用はない。

鍼は神経に直接触れるものではない。従って、神経が傷むのではと心配する必要はない。

ただ、いつでも鍼を打ってもらえるわけではない。

漢方医学の文献によると、飲酒後や激しく汗を流したり下痢をした後、咽乾や感情の起伏が激しい時、過労・食べ過ぎ・禁食の後、性関係の前後には鍼の治療を勧めていない。極度に衰弱し、外科の手術や出産により大量の血を流した時も鍼は禁止される。

●鍼の進化…薬鍼・電鍼・香鍼などアップグレード傾向

通常、「鍼」といえば、身体に打つ体鍼を思い浮かべる。このように、鍼を打つ部位によって、足鍼、手指鍼、頭鍼、耳鍼に分類される。

最近は、伝統の手法をアップグレードした鍼が大挙出ている。代表的なのが薬鍼だ。薬を入れた鍼で、形状や治療手法が注射に似ている。薬効が早めに現れる一方、一般の鍼より刺激が強く、紫斑ができることもある。

電鍼療法は、鍼に電流を流し、刺激を与える方法。電気を使うため、刺激の強弱の調節が容易という長所がある。レーザーを使う光鍼は、鍼を挿入する必要がないため、痛みを感じない。

香鍼療法もある。アロマオイルを鍼に塗っており、顔面マヒや頭痛の治療に主に使われる。顔に鍼を打つと、香りが鼻を刺激し、脳に影響を及ぼす原理だ。遠赤外線が出るセラミック鍼も近く登場するとみられる。



corekim@donga.com