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[社説]乙巳条約100周年の大韓民国

Posted November. 17, 2005 07:58,   

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今日は、1905年に韓国の外交権が日本にはく奪された乙巳(ウルサ)条約100周年を迎える日だ。日本の保護国に転落し、主権国家の根を失った苦しい経験は、「乙巳年(ウルシニョン)のようだ(わびしい、みじめだ)」という形容詞として残り、今日に伝わっている。「国破の日」と呼ばれる乙巳条約の5年後、この国は根こそぎ日本に奪われて亡国の日を迎える。

韓国は果たして、歴史から学んで、未来に進むビジョンを見出しているのだろうか。賢明に国益を固める外交をしているのだろうか。盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権は、中途半端な自主を掲げて、国家発展の一軸となってきた韓米同盟を大きく揺さぶった。対日外交では、「歴史の不言及」と「外交戦争宣言」の間を行き交い、韓日関係の不安定さを増幅させた。

釜山(プサン)で開かれているアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議も、昨日開かれた韓中、米日首脳会談のような2国間会談も、国益の角逐と調整の場に相違ない。今日、北朝鮮核問題をめぐる6者協議参加国の米国、中国、日本、ロシアの4カ国は、100年前に韓半島で自国の国益実現のために競い合ったまさにその列強である。冷厳な国際秩序の力学を正確に読み取って能動的に対処しなければ、100年前も今も変わったところはない。

まず、国際情勢を客観的に読み取る能力と情報収集能力が問題だ。乙巳条約締結の2ヵ月前に日露戦争を勝利した日本は、ポーツマス条約で「韓国に対する優越権」を認められた。同年7月、米日間で「タフト・桂密約」が結ばれ、この地に対する日本の主導権が了解された。日本は8月の日英同盟改正を通じ、朝鮮を「指導監理保護」する背景を作り出した。このような列強の幕裏の取り引きと工作を、当事者である韓国だけがまったく知らなかったのだ。

緊迫する現実を読めなかった当時の大韓帝国政府は、韓米条約によって米国が日本の野望を阻止することを期待した。しかし米国のルーズベルト大統領は、日本を支援することが米国に利すると考え、ポーツマス条約でも積極的に日本の諮問に応じた。無知無能な外交が国を亡ぼしたのだ。

今日の大韓民国はどうか。日米同盟は、「史上最高の蜜月」と自他が公認する状況であるのに比べ、韓米同盟は、不協和音を発して動揺している。盧武鉉政権の理念過剰と親北朝鮮偏向は、国家アイデンティティの危機を呼んだ。過度な親中は、韓米日の協力を脅かすという憂慮を生んでいる。成長動力の喪失で、国の経済の未来も明るくない。さらに、内部対立を拡大再生産する敵対リーダーシップは、国を分裂の沼に陥れている。大韓民国はどこに進んでいるのか。