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MS問題、韓米通商にまで影響を与えるのか

MS問題、韓米通商にまで影響を与えるのか

Posted November. 10, 2005 03:34,   

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「世界の人々が最も多く読む本は聖書で、最も多く聞く音楽は、コンピュータを立ち上げたときに聞こえるマイクロソフト(MS)のウィンドウズ運営体制(OS)のスタート音だ」

情報技術(IT)業界でMSの独占的な市場支配力を説明するときによく聞かれる冗談だ。

韓国も例外ではなく、MSのOS部門の市場シェアは98.8%に及ぶ。

MSは、このような市場支配力を背景とし、最近米証券取引所に、「韓国公正取引委員会(公正委)がウィンドウズに関する是正措置を要求するならば、韓国から撤退することもありうる」という内容の「圧迫的公示」を出した。

米行政府まで巻き込み、公正委のウィンドウズ関連評決に間接的影響を行使しており、韓国政府との通商摩擦の可能性まで出ている。

●公正委の調査、通商摩擦に飛び火するのか

韓国MSは公示について、「投資者にリスクを事前に知らせるための、米本社の日常的な経営活動」と説明した。しかし専門家らは「公正委の『抱き合わせ販売』関連の判決を有利に持ち込むための圧迫」とみている。

MSは欧州連合(EU)から独・寡占の疑いで提訴されたときは、事業撤退に触れなかった。

今月初めには米法務省の管理職2名が公正委を訪問した。公正委は彼らの訪問がMSと米法務省の間の合意過程を説明するためだと述べたが、「米行政府の圧力」とみる見方が多い。

●MS、韓国を去ることができるか

MSが韓国市場を手離すのは容易なことではない。韓国ソフトウェア振興院が推定した2004年国内のOS市場規模は3兆7800億ウォン。このうち、ウィンドウズ販売額が3兆7500億ウォン(約37億ドル)を占めるほど、市場が大きいからだ。

MSが三星(サムスン)電子、LG電子など国内企業と維持してきた協力関係も負担となるところだ。

しかし「ウィンドウズ撤退」発言波紋に見られるように、ウィンドウズ独占による副作用は非常に大きい。

今年9月にMSが「2006年7月からウィンドウ98に対する顧客支援を中断する」と発表したのが代表的な事例。韓国政府は当時、MS本社に「中断措置を後1年延期してほしい」と依頼しなければならなかった。

国家サイバー安全センターによれば、ウィンドー98の顧客支援が中断されれば、政府が所有している個人用コンピュータ(PC)350万台は外部からのハッキングが容易になるため、これを防ごうとするなら、ウィンドウズをすべて新たに買わなければならない。ウィンドウズ交換費用だけで数百億ウォン。これに加え、最新ウィンドウズのための性能のよいパソコンまで泣く泣く買うはめになる。

●代案を模索しなければならない

MSの政策変化に国全体が一喜一憂しないためには、代案模索が必要だとの声が高い。

代案に挙げられるのは、リヌックスのような公開OS。プログラムの核心設計図にあたるソースコード(source code)を独占したMSウィンドウズと違い、リヌックスはソースコードが公開されていて必要によってユーザーがOSを修正しながら使用することができる。

すでにリヌックスは、企業用サーバーOS市場ではウィンドウズの強力なライバルに成長した。市場調査機関であるIDCによれば、2004年世界サーバーOS市場で、リヌックスのシェアは25.3%であり、2007年には30%を上回る見込みだ。

「ハングルとコンピュータ」のイン・チボム広報チーム長は「リヌックスの存在によってだけで、サーバーOSの価格が急落した」とし、「個人用コンピュータでもリヌックスが成功すれば、ウィンドウズの価格を落とす効果があり、消費者全体が利益を享受できる」と話した。



sanhkim@donga.com