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秋史はとても人間的

Posted November. 03, 2005 07:19,   

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「今訪ねてきた家の作男を通じて手紙を読んだ。年が変わってから届いた便りで大いに慰めになる。会いたい気持ちは切実だが、遠く海を渡って行かなければならないうえに悪い機運が盛んな時で、心が落ち着かない。私は口と鼻から熱が出て相変らず苦しく、眼病がますますひどい。どうか体に気を付けなさい。丙午(1846年)3月2日(父)」

秋史・金正喜(チュサ、キム・ジョンヒ、1786〜1856)が60歳(耳順)のとき、済州(チェジュ)への流罪中、息子に送った手紙(原文は漢文)の一部だ。当代の大学者であると同時に有名な書家としての風貌より、息子を心配する平凡な父親、健康を心配する平凡で人間的なおもかげが如実に表れる。この手紙を含め、これまで一般に公開されなかった秋史の手紙39点、詩26点、散文8点、絵画8点など81点が11〜20日、京畿道果川市(キョンギド・クァチョンシ)の文化会館で開かれる「秋史の小さな字展」(02—504—6513、無料)で公開される。

秋史が晩年、果川のある民家に泊まった縁を契機として、果川市と秋史研究会などが準備した今回の展示会には、手紙66点をはじめ、詩34点、散文13点、絵画11点など124点が展示され、そのうち81点は、個人所蔵家らが所有する未公開作だ。

秋史研究会のキム・ヨンボク研究委員は「秋史の人間的な風貌を知るためにここ数年間、子孫たちを通じて、手紙などを所持している20人あまりの所蔵家に個別に会って作品を集めた」と説明した。

金委員は「手紙をはじめとする小品などは、秋史体の形成過程を時期的に解明するのに大きく役立つ」とし「特に飾り気のない暮らしからにじみ出る素直な対話、日常の穏かな所感と人生の過程など、秋史の人間的なおもかげを考察するのに重要な資料になる」と話した。

一生のあいだに、硯10個に穴があき、筆1000本を使い切ったという大書家の秋史が、晩年、知人に送った手紙には、独自の書体を生み出すためにどれほど努力したかが示されているところがある。

「冷たい風の中で、送っていただいた手紙を受け取ると、ふと腕の中の三百九碑(中国・漢魏時代に隷書で書かれた309の碑文で、秋史が追求した書体の粋)がついに日常の(私が書く)手紙にまで及び、鑑賞し吟味する重要な研究材料を提供します。この境地を得た喜びに浸っていると、冷たい風のこともつかの間忘れます」

今回の展示作品は、秋史体の研究専門家らの鑑定を終えている。ただ、手紙と一緒に公開される祭文3点は、後で精密な鑑定を行わなければならない、と主催側は明らかにした。



angelhuh@donga.com