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韓日のファンタスティックな旋律

Posted November. 02, 2005 05:07,   

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5回にわたるカーテンコールのすえ、指揮者も演奏者らもみな離れた、がらんとした舞台。それでも、半分近くの客席に残っている観客らは、席を離れようとしなかった。拍子をあわせて拍手しつづける音に、結局、指揮者の鄭明勳(チョン・ミョンフン=東京フィルハーモニックオーケストラの特別芸術顧問)は、服を着がえるのをやめて、再び舞台に戻ってきた。

観客らは舞台に集まり、鄭氏に握手を要請した。先月31日夜、東京新宿の東京オペラシティコンサートホールで開かれた東京フィルハーモニック管弦楽団の演奏会。同日の公演は、少なくとも音楽でだけは、韓国と日本が一つのアンサンブルを成し遂げられることを見せてくれた。

●韓日両国の天才演奏者が一つの舞台に

同日の演奏で、観客の視線は断然、共演者である韓日両国の2人の若手音楽家、チェリストのコ・ボンイン(20)とバイオリニストの庄司紗矢香(22)に集った。2人が東京フィルと一緒に演奏した曲はブラームスの『バイオリンとチェロのための2重協奏曲』。

バイオリンとチェロのソリストとしての器量はもちろん、室内楽のような和音、オーケストラとの協奏など多様な魅力を感じさせた演奏だった。とりわけ、2人は、同じ旋律を交代しながら演奏する第3楽章で、軽快な弓の動きを繰り返し、拍手喝采を受けた。

庄司紗矢香は16歳のとき、イタリアで開かれたパガニーニ国際バイオリンコンクールで、最年少者として大賞を受賞した天才バイオリニスト。庄司紗矢香は、コ・ボンインについて「最初は演奏方法や曲についての解釈が異なったが、2人だけの練習のすえ、調和を成すことができた」とし、「彼の演奏は本当に温かく、ファンタスティック」だと話した。

●勉強も音楽も逃さないハーバード大生チェリスト

チェリストの鄭明和(チョン・ミョンファ)は「韓国人は悲しかったり熱情的な演奏は上手だ。しかし、コ・ボンインは韓国人演奏者に不足しているユーモアまで揃えている」と言って、コ・ボンインを高く評価したことがある。コ・ボンインは、この評価について「楽しみながら演奏しているからだ」と説明した。

錦湖(クムホ)文化財団が後援する音楽英才出身のコ・ボンインは、音楽と勉強の間で進路を悩んだが、結局、父の高圭永(コ・ギュヨン)教授(韓国科学技術院)の後を継いでバイオ科学分野の科学者になるため、ハーバードを選んだ。しかし「ハーバード−ニューイングランド音楽院」のジョイントプログラムを通じて、音楽の勉強も続けている。

「ハーバード大の先輩であるチェリスト、ヨーヨーマさんは幼いごろから尊敬と動機付与の対象でした。ハーバードを選んだのも、ヨーヨーマさんの影響が大きかったですね。同氏を通じて、ハーバード大が音楽家を育てて、支援してくれるとのことを知るようになりましたから。音楽的にもヨーヨーマさんのように、テクニックを乗りこえて、自由に演奏するスタイルを求めています」。コ・ボンインさんは最近、ヨーヨーマさんが使っていた「モンターニャ」のコピーをプレゼントされた。

錦湖文化財団から借りたチェロを8年間使ってきたが、この夏返したのだ。「大学を卒業した後、医大に進学し『ES細胞』を研究したい」というコ・ボンインは、毎晩4〜5時間のチェロ練習も欠かさずにいる。コンサートが終わった後、出席したお祝いのパーティーでも、コ・ボンインは「教養科目のテキスト『米憲法の歴史』を読まなければならない」とし、他の人々より先に席を離れた。

東京フィルの韓国内公演は、7日に釜山(プサン)文化会館、9日済州道(チェジュド)文芸会館、11日京畿果川(キョンギ・クァチョン)市民会館、12日世宗(セジョン)文化会館、13日仁川(インチョン)総合文化芸術会館で行われる。ブラームスの『バイオリンとチェロのための2重協奏曲』とショスタコビッチの『交響曲5番』(革命)が演奏される。入場券は4万〜12万ウォン。お問い合わせは02−518−7343



raphy@donga.com