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[社説]行政サービスの水準を示した「バルコニー混乱」

[社説]行政サービスの水準を示した「バルコニー混乱」

Posted October. 25, 2005 07:25,   

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建設交通部はアパートやマンションなどのバルコニー拡大工事について、当初は来年1月からの合法化を計画していたが、早期実施への要求が高まり、実施時期を11月末に繰り上げた。多数のマンション居住者を犯罪者にし、社会的に多額の費用損失を生み出していた古い規制が撤廃されることは歓迎に値する。しかし、国民生活に密着すべき生活行政は、国民の目線に合ったものではなく、国民生活の利便性向上とも依然としてかけ離れている。

今回の措置は不要な規制が長い間続けられていたことを如実に表示した。建設交通部は「1992年以降、バルコニーに対する荷重基準が強化され、拡大工事をしても安全に異常はない」ことを明確にしている。だとすれば、過剰規制が10年以上も続いたことになる。建設業界と学界ではこれまで「設計や建築技術の発達でバルコニーをリビングや寝室のほうへ広げても構造的な安全を脅かすことはない」と、規制の撤廃を求めてきたが、政府は耳を貸さなかった。その後、「8・31不動産総合対策」の発表で冷え切った建設景気を回復させるための切り札にしたというのが、業界の見方だ。

「一貫性を欠いた取り締まり」は、国民の便利な生活などはまったく考慮しない規制の典型といえよう。仁川・松都(インチョン・ソンド)新都市や釜山(プサン)の海雲台・東莱(ヘウンデ・トンレ)などの数千戸のマンションに、バルコニーの原状復旧の命令が出されたのが数ヵ月前のことだ。取り締まっていたことがまるでうそであったかのように規制が撤廃されたため、告発や罰金を恐れて早々とバルコニーを元に戻した一部の住民だけが損をしてしまった。

建設交通部は当初、来年1月の合法化を進めていたが、今年末の入居を予定している人々からの強い反発を受けて時期を繰り上げた。12月に入居予定の7万8000世帯は、入居後の騷音やホコリなどに耐えながら、拡大工事を別に行うという不便は免れることになった。立法の予告から官報への掲載までの一連のプロセスを超スピードでできるかどうかは、結局は政府次第だということも確認された。

国民に大変な思いをさせ、いらだたせるのは建設交通部だけではない。中国産キムチ問題にしても、当局者は店で出てくるキムチに不安を感じる国民の目線に立って対応すべきだった。公務員が行うからといってそれが行政サービスなわけではない。その基本は国民の目線に合わせることにある。