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[オピニオン]射撃訓練

Posted October. 25, 2005 07:25,   

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「トップガン(Top Gun)」は元来、米国海軍戦闘機パイロットの戦闘能力向上のための教育課程の名称だった。しかし今は、名射手パイロットを指す用語として定着した。韓国空軍の場合、10年目のベテランF16パイロット1名を養成するのに、約87億ウォンがかかるという。トップガンは、このように多額の金を投じて養成したパイロットの中でも、最高のテクニックを持ったパイロットであり、栄光の地位である。

◆最近、在韓米空軍に配属された戦闘機パイロットたちが、配属換えを求める事例が増えたという。京畿道華城市梅香里(キョンギド・ファソンシ・メヒャンリ)の射撃場が8月に閉鎖されて以降、規定の射撃訓練の時間を満たすことができず、トップガンどころか進級すらできないと憂慮するためだという。国防部では、全羅北道群山(チョルラプクト・クンサン)沖合の直島(チクト)という小さな島を射撃場として提供する意見が出ているが、地域住民の反対が激しく、実現するかどうかは不透明だ。このままでは、韓国が、米軍パイロットたちに「勤務忌避地域」と映るかもしれない。

◆軍の射撃訓練場の不足は、在韓米軍だけの問題ではない。韓国軍も事情は切迫している。陸軍の場合、数年もの間、訓練場確保の水準は60%程度で、確保された敷地ですら、日に日に激しさを増す住民たちの抵抗のために、安心して活用できない。今年初めには、陸軍で「ロシア軍の訓練場を賃貸して使おう」というアイデアまで出たほどだ。韓国軍が、ロシアに行って訓練をするには、兵力と装備の輸送にかかる費用も問題だが、北朝鮮や中国などの周辺国との微妙な関係も、考慮しなければならない。

◆「兵家百年不用、不可一日無備(軍隊は100年間、使用しないこともあるが、たった一日でも準備を怠ってはいけない)」。茶山・丁若饁(タサン、チョン・ヤクヨン)の言葉だ。一度の射撃訓練でも、あちこちに気兼ねしなければならない韓国軍は、果たして完璧な臨戦態勢を維持していると言えるだろうか。訓練場の確保を軍当局と地域社会間の協議事案にしておいてはいけない。国家戦略の次元で、政府が調整に乗り出し、早期に解決しなければならない。雄大な国防改革よりも、このようなことが急務なのである。

宋文弘(ソン・ムンホン)論説委員 songmh@donga.com