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[オピニオン]「嫦娥工程」

Posted October. 14, 2005 07:36,   

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「10の太陽を退治するため、地上に送られた后ゲイと嫦娥の夫婦は、これを解決したことでかえって天帝の怒りを買ってしまい、天界に帰れなくなる。后ゲイは悔しがる妻の機嫌を取るため、西王母を訪ねて桃を2個もらってくる。1個を食べると不老不死となり、2個を食べると天神になれるという桃を、嫦娥は2個とも一人で食べて月の国に逃げてしまうが・・・」中国の古代神話に出てくる話だ。

◆中国のマスコミは2年前、中国の神話に登場する至高無上の女王である西王母が、実在していた人物だという考古学者の研究結果を報じた。誇張するのが好きな中国人の特徴からすると、後日「嫦娥も実在した」という主張も出るかも知れない。中国の宇宙開発プロジェクトに「嫦娥工程」という名前が付けられたからだ。中国人は月の国に住んでいる神話の中の天女に21世紀に会いに行きたいという野望を込めて命名した。

◆中国は2年後に月探査船の嫦娥1号を打ち上げ、2013年までに月面着陸を果たし地球に帰還する有人宇宙船の開発を完了する計画だ。一昨年に続いて、一昨日2度目の打ち上げとなった有人宇宙船の神舟6号の成功は、この計画が順調に進んでいることを示す。今回「神の舟」に乗り込んだ宇宙飛行士の2人は、宇宙で迎えた初めての食事で月餠を食べたという。月餠は中国人が中秋の節に満月を見ながら食べるという伝統菓子だ。中国人は月餠を食べながら、月の国の嫦娥に会える日を楽しみにしていたのだろうか。

◆神舟6号の打ち上げ成功に、13億の中国人が沸いている。中国内の56の民族を一つに束ねる国民統合の役割を見事に果たしているという。猛烈に成長する中国の力を国際社会に示す格好の機会になったという見方もある。中国の成長が気になって仕方がないのは米国だろう。ハリウッド製作の宇宙戦争映画に敵国の兵士として黄色い肌の「チャイナノート(Chinese+Astronaut)」が登場することがあるかも知れない。

宋文弘(ソン・ムンホン)論説委員、songmh@donga.com