Go to contents

[オピニオン]アリラン少年

Posted October. 10, 2005 03:03,   

한국어

1970、80年代に中高校に通った40、50代の中には、カードセクション(人文字)に参加した人が少なくないだろう。全国体育祭典(国体)をはじめ、「偉い人」が参加する主要行事には、ふつうカードセクションが登場した。学生たちはスタンドに座って指揮者の指示に従って色とりどりのカードを上げたり下げたりしながら字や場面を作った。太極旗(テグキ)、無窮花(ムグンファ)、大統領の肖像などが定番メニューだった。

◆カードセクションの生命は一糸乱れずだ。一人でもミスをすれば「作品」が不完全なものになるため、学生たちは行事の1、2ヵ月前から、授業時間を減らしてでも猛練習をしなければならなかった。練習中に間違うと、担当教師に呼ばれて叱られたりした。カードセクションは1980年代後半に入ってから、学生たちを酷使して授業に支障を来たすという非難が起こり、消えていった。最近のサッカー競技場などで見られるのは、同好者たちの自発的な行為だ。

◆世界のどの国より祭典の多い北朝鮮は、カードセクションの強国だ。1950年代から金日成(キム・イルソン)・金正日(キム・ジョンイル)誕生日、労働党創立、建軍記念日、「解放記念日」など、各種の記念日には多種多様な形式のカードセクションが行われた。主に学生たちが動員される。今、平壌(ピョンヤン)の「アリラン」公演にも2万人余りが動員され、毎日絢爛たる大型画面を作り上げている。膨大な規模の集団体操も開かれる。こんな一糸乱れの姿を通じて体制の強固さを宣伝するのだ。

◆北朝鮮専門サイト「デイリーNK」が、北朝鮮脱出者たちの鮮やかなカードセクション体験談を公開した。訓練中に鼻血を流す学生たちが続出し、動作を間違えれば容赦なく棒が飛んでくる。トイレに行くのを我慢して膀胱炎にかかった子供たちも少なくないと言う。派手なカードセクションの裏に、幼い子どもたちのこんな苦痛が隠されているなんて無残だ。巨大な「紙の監獄」に閉じこめられ、無慈悲な人権侵害にあっているわけだ。アリラン公演を見ようと北朝鮮へ行った韓国人は、彼らの苦痛も見て来てほしい。「アリラン少年少女」たちの「悲しい技」に拍手して、「民族」だけを叫んで来るのでは困る。

宋煐彦(ソン・ヨンオン)論説委員 youngeon@donga.com