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6カップルの「ラブ・アクチュアリ」

Posted October. 06, 2005 07:16,   

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「『ラブ・アクチュアリ』の韓国版を作ってみよう」「どんなラブストーリーを集めようか」「嫌い合っていた男女が恋に落ちるストーリーがおもしろそう」「ここんとこ、経済厳しいから、貧しくても恋を失わないカップルもアピールできそう」「中年や老人のロマンチックな恋で世代間のバランスもとらなきゃ」「ところで、異性愛だけがすべてじゃないだろう」「そうそう、シングルパパと娘の世代間の愛もつくってみよう」「う〜ん。いいアイデアだけど、ちょっと弱い気がするな。もっと強烈な何かがないかな。映画のストーリーを盛り上がらせてくれそうな…」「修道女の愛はどう?」「社会的な非難が殺到するよ」「じゃ、予備修道女に変えればいいじゃん」「同性愛もいいな。しかし、あまり先走るのはダメ。議論が目的じゃないから」「『ラブ・アクチュアリ』のようにかわいらしくて感動的なコードでいくべきだろう」「とりあえず序盤は笑わせて、最後は泣かせるべきよ。あまりにもさわやかでキレがよすぎると、韓国の観客のセンスではつまらなく感じるよ、きっと」「そう。砂糖も入れて塩も入れよう。笑わせながら泣かせよう」。

▲6色の愛、一週間を複雑に織り込んだ愛のトータル・プレゼント・セット〓6日封切られる「私の人生でもっとも美しい一週間」は、ひょっとすると、こうしたアイデア会議を経て生まれたのかもしれない。この映画は、「ラブ・アクチュアリ」を韓国的なセンスに合わせて遺伝子を組み替えた企画商品だ、という意味だ。

6つの愛が一週間の間、複雑に織り込まれる。年配の独身男性、ナ刑事(ファン・ジョンミン)と離婚した精神科医のユジョン(オム・ジョンファ)のかわいらしい愛、貧しいけれど愛と希望を失わないチャンフ(イム・チャンジョン)とソンエ(ソ・ヨンヒ)の愛、年がいのない中年ヤモメのソンウォン(金スロ)と8歳の子供(金ユジョン)の世代を越えた愛、予備修道女のスギョン(ユン・ジンソ)と歌手のジョンフン(チョン・ギョンホ)のはらはらさせる愛、中年の劇場オーナー、クァク会長(チュ・ヒョン)とぶりっ子万年少女のオ婦人(オ・ミヒ)の遅れ気味の愛、そしてさびしいバツイチのチョ社長(チョン・ホジン)と派遣家政夫(金テヒョン)の禁じられた愛…。彼らの愛はスクリーンを一段一段と埋めてゆき、ついに大きな愛のモザイクを完成していく。

▲ファン・ジョンミンの笑わせるなまり—オム・ジョンファの渾身の演技が見事〓この映画は俳優の数だけでも大衆の反応を引き出すのに成功するだろうが、「トータル・プレゼント・セット」とするには物足りない。良質のトータル・プレゼント・セットとは何か。キャンディーはキャンディーらしく甘く、お菓子はお菓子らしく、チョコパイはチョコパイらしくなければならない。しかし、「私の人生…」はキャンディーでもお菓子でもチョコパイでもなく、全部キャンディーであると同時にお菓子であり、またチョコパイであろうとする一種の「普遍的な強迫」におちいっている。言い換えれば、映画はそれぞれのエピソードがユニークな味を出すようきめ細かな配慮をする代わりに、いくつかの確実な感情のつながりを、きわだって浮かび上がらせる方を選んだ。素材のバラエティーが感情のバラエティーにつながらないまま、幸せと悲しみ、一つないし二つの感情に荒々しく収れんされるのもこの映画の「ミス」ではなく、「選択」だ。感情のつながりが強いエピソードに集中したあまり、一部のエピソード(たとえば、中年ヤモメと子供の愛や同性愛)は、編集の過程で細かい内容を必要以上に切りとってしまったかのように、説明不足をあらわにする。

ファン・ジョンミンはもう誰もとめられないほど演技が勢いに乗っている。今回は、だれでも笑いを誘うような慶尚道(キョンサンド)なまりを駆使する。オム・ジョンファは相変わらず身を惜しまぬ熱演を見せてくれる。愛する男のほっぺに唾をだらだら流すユン・ジンソは「気のふれた愛」を演じるのが見事だ。しかし、イム・チャンジョンの場合、貧乏でも希望を失わないというような、お涙頂戴はそろそろ飽きられそうだ。

「女子高怪談二番目の物語」を演出したミン・ギュドン監督の二番目の長編。15歳以上観覧可。



sjda@donga.com