早くから綿織物産業が発達した英マンチェスターとランカシャーは産業革命を起こした中核的な工業地域だ。１８３０年、両都市を結ぶ鉄道が世界で初めて開通した。１８９３年にはマンチェスターとリバプールを連結する運河が完成した。マンチェスターは綿織物産業が衰退し、金融や保険業が活性化した商業都市へと衣替えした。人口は３９万人。世界最高のリッチなサッカーチーム、マンチェスター・ユナイテッド（ＭＵ）のホームグラウンド、オールド・トラットフォード・スタジアムがこの都市にある。
◆ＭＵは本来、１８７８年にランカシャーとヨークシャーの鉄道労動者が「ニュトーンヒス」という名前で創設したアマチュアチームだった。１９０２年、フランチャイズがマンチェスターに変わってＭＵになった。サッカーは１２０年前も今も相変わらず労働者のストレス解消剤になっている。マンチェスターの労動者らはＭＵの試合がある日は酒場に集まってテレビを視聴する。ゲームを、自宅のスポーツチャンネルで見ると、金がたくさんかかるからだ。
◆ＭＵの新しいユニホームが出る日は、スタジアム内にある記念品売り場は、好きな選手の名前つきユニホームを買い求めるファンでごった返す。荒々しいマナーで「グラウンドの悪童」と呼ばれるウェイン・ルーニーのユニホームが一番人気だそうだ。マンチェスターの父親は赤いＭＵのユニホームを着ている息子の手を取り、競技場で人生を教える。「息子よ、サッカー競技場こそ険しい世の中の縮図なんだ」。素早い韓国の旅行会社がＭＵのホーム競技場を観光コースに入れてから、「Ｊ・Ｓ・ＰＡＲＫ」が刻まれた赤いユニホームを買う観光客が増えているという。
◆ＭＵが先週末、プレミアリーグ・プルハムとの試合で決めた３つのゴールはいずれも朴智星（パク・ジソン）の足がつくった。悪童ルーニーはほめ言葉を惜しまなかった。「智星が走ると足が速すぎて、相手の守備が途方に暮れるんです」。ファーガソン監督も「智星のプレーはファンタスティックだった」と感嘆した。ＭＵの「新型エンジン」朴智星。まだにきびだらけの２４歳の少年が、サッカーの本場を騒がせている。
黄鎬沢（ファン・ホテク）論説委員 hthwang@donga.com
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