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「実勢も、失敗も許さない」

Posted September. 23, 2005 07:33,   

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○役員クラスの人事だけでも今年に入りおよそ10回

現代(ヒョンデ)起亜(キア)自動車グループも毎年、年末や年明けに定期の役職員人事を行う。しかし、少なくとも副社長クラス以上の役員にとって、定期人事は大きな意味をもたない。鄭(チョン)会長は今回の人事を含め、今年に入り、各系列会社・副社長以上の昇進または補てん人事を約10回も行った。

こうして随時、役員人事を行うのは、他の大手企業ではなかなか見られない。時期だけでなく人事の内容も「ビックリさせる」レベルだ。今回、社長に昇進した尹汝迵(ユン・ヨチョル)現代自動車蔚山(ウルサン)工場長は79年に入社した後、03年、取締役に昇進するまで24年かかった。

しかし、その後、1年足らずで常務に昇進し、さらに3ヵ月後に専務になり、8ヵ月後には副社長、さらに8ヵ月後には社長になる、という超高速の昇進を繰り返した。「退かせた人」を再び呼び入れたりもする。李在完(イ・ジェワン)現代起亜自動車マーケティング総括本部長兼戦略調整室長(副社長)は、退職6ヵ月後に復帰し、要職に任命された。

鄭会長独特の「用兵の秒」には、長所と短所がある。現代起亜自動車グループ幹部は、「鄭会長の随時人事は、必要とされる時期と場所に、必要とされる人材を配置できるとの点から非常に有用」だとし、「とくに、現代起亜自動車のように成長する企業に適した方式」だと述べた。

組織に絶えず緊張感を与え、常にベストを尽くさせるという点も長所に挙げられる。しかし、随時人事は、現場の責任者の失敗を許さないという鄭会長のスタイルを反映したもの、との見方も出ている。専門経営者が一寸先も予測できず、ややもすれば業務の連続性に問題が生じうる、との見解もある。

○「実勢という言葉が出たら用心すべき」

最近、現代起亜自動車グループ人事のきわだった特徴は、「世代交代」の兆しが明らかな点。今回の人事で、現代モービスの前身・現代精工の時代から鄭会長の信任が厚かった朴正仁(パク・ジョンイン)現代モービス会長が、顧問の職へ退いた。今年初めには尹国鎮(ユン・グクジン)起亜自動車社長が同社を離れ、昨年には柳仁均(ユ・インギュン)現代INIスチール会長が、顧問に退陣するなど60歳以上の専門経営者が相次いでポストを離れた。

「実勢」と呼ばれるような人物を長期間にわたって周りに置かないのも特徴。そのため、現代起亜自動車グループでは「実勢と言われはじめたら、格別に用心しなければならない」というのが鉄則だ。先月退社した李相起(イ・サンギ)現代モービス副会長は、今年4月までグループの中核である企画総括担当の最高責任者だった。

李副会長の前に企画総括担当を務めていた鄭淳元(チョン・スンウォン)社長はロテム副会長に移され、「職位はアップしたが、実権は弱くなった」と評価された。崔漢英(チェ・ハンヨン)社長が以前より比重が落ちる商用車部門社長に移された時も、さまざまな見方が出ていた。このように現代起亜自動車では、鄭会長の側近のうち、長い間「権力」を維持するケースはまれなほうだ。

これは「主要側近」の権限が強大で、簡単に影響力を失わない他のグループとは対照的だ。朴正仁(パク・ジョンイン)会長が退いた今では、鄭会長の本音を読み取れるような専門経営者は、薛栄興(ソル・ヨンフン)副会長と金東晉(キム・ドンジン)副会長くらいになったというのがグループ内外の分析だ。



swon@donga.com aryssong@donga.com