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2005年、韓国の中年が危ない

Posted August. 29, 2005 03:07,   

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当てもなく街中を歩いたり、PCバン(インターネットカフェ)でゴーストップゲームをして時間を過ごして、昼ごろ帰宅すると、「ご飯は電子レンジに」と書かれたメモが金さんを迎える。電子レンジでご飯と汁物を温めて、おかずを取り出して食べながら、ふと「離れて暮す老母が見たら落胆するだろうな」と思うと、目頭が熱くなってくる。

現職にある友人に会っても、もどかしさは消えない。「雁パパ」の生活をしているうちに離婚した友達の苦情を聞くのもうんざりだが、見掛けはまともにみえる友達も「これまで何のために突っ走ってきたか分からない」と泣き言を言う。「自分自身の健康や楽しみのためにはただの一銭も1秒の時間も使ったことがない。ひたすら家族と職場のために暮してきたと自負していたのに…」。

韓国社会の中年・壮年の男たちが日常生活のなかで精神的、肉体的に深刻な危機感を感じていることを示す数々の指標が警報を鳴らしている。

韓国の男性が職場で受けるストレスの激しさは世界的に広く知られている話だ。しかし最近になって、仕事だけではなく家廷生活、友人関係など生活のあらゆる方面でストレスと疎外感に苦しむ男性が急増している。

男性のための相談機関である「男性の電話」は、今年上半期だけで1479人の相談に乗った。40代と50代初めが大半を占める相談者たちが打ち明けた悩みは、経済力の喪失や妻の不倫による摩擦、家庭内疎外感などが殆どだ。

問題は危機感を感じる男性が失業者など特別な場合だけに限らないということだ。仁済(インジェ)大・ソウルペク病院神経精神科の禹鍾敏(ウ・ジョンミン)教授は、「表向きでは問題がなさそうな男性でも、雇用や老後に対する不安感によるストレスと家族解体という現象の前で『精神的恐慌』を訴える事例が増えている」と話した。

統計庁が26日発表した「2004年出生・死亡統計」によると、50代男性の死亡率は女性に比べて2.98倍も高い。40代は2.77倍、60代は2.55倍、30代は2.12倍高かった。

40〜49歳の男性自殺者は01年=1039人から02年=1308人、03年=1681人と増えた。50代の男性自殺者も01年=842人から03年=1241人と増えている。

「男性の電話」の李玉伊(イ・オッキ)代表は、「家父長的な価値観の影響を受けて育った男性たちが、準備ができていない状態で迫ってきた変化を前にして混乱している。もちろん男女不平等によって多くの女性たちが受けてきた不利益に比べて男性たちの苦痛は小さいものかも知れないが、危機と変化への順応能力が女性に比べて大きく落ちるため苦痛がなおさら重く感じられるようだ」と話した。



sys1201@donga.com corekim@donga.com