「責任者を処罰しろ」
186人の幼い命をあっという間に奪ったロシア南部の北オセチア共和国ベスランで起きた学校占拠事件(昨年9月1〜3日)が終わって1年。しかし、子供を失った母親たちの憤りと悲しみは、まだ消えていない。
母親たちは「ベスラン母親会」を組織して、事件の責任者を捕まえることを求める抗議デモを続けてきた。こうした動きをめぐって世論が高まると26日、プーチン・ロシア大統領は「来月2日、クレムリンへ来るように」と面談を提案した。
同母親会の共同代表で、唯一の高麗人犠牲者だったスベトラナ・チェ(当時12歳)さんの母親のマリナ・パクさん(39)は28日、本紙との単独電話インタビューで、「プーチン大統領との面談はもちろん、当局の主導で開かれる3日の追慕式への参加も拒否する」と話した。当局の謝罪や真相究明が先だということ。
この1年は、平凡な母親だったパクさんを「闘士」にさせた。事件発生後、10日が過ぎてもスベトラナさんの遺体どころか、行方も分からなかった。遺伝子検査の結果、形体も分からないほど真っ黒に焼けてしまった娘をやっとの思いで見つけ出し、埋葬した。一人しかいなかった孫娘の生還を祈っていたパクさんの父親のビクトールさんは、数日後、ショックのあまりこの世をさった。衣装室に勤めていたパクさんも衝撃に耐え切れず、結局職場をやめた。これまでロシア政府がやってくれたこととは、3000ドル(約309万ウォン)の補償金が全部だった。
さらにパクさんを怒らせたのは、ロシア当局の誠意のない態度。犯人のうち31人を現場で射殺し、1人を逮捕したが、逃げ出した20〜30人の犯人は1人も逮捕していない。事件の背後もまだ五里霧中である。関連公務員のうち、誰もこの事件に対して責任を負わなかった。
当時、警察の責任者はかえって事態をうまく収拾したとしてモスクワに栄転し、強制鎮圧の当時、学校が燃えているのに、「上部からの命令がない」という理由で出動しなかった消防署長まで昇進した。これに抗議して、昨年12月からパクさんらが街頭デモをすると、かえって関係機関の圧力と懐柔が続いた。パクさんも、「電話の傍受に苦しめられている」と鬱憤を吐き出した。
普段娘に「あんたはカレイェンカ(韓国の女性)だということを忘れないように」と言い聞かせていたというパクさんは、「おじいさんの国」の無関心にも傷ついた。
「事件が起きた後、韓国政府も救護金を送ったという話は聞いたんですが、旧ソ連全土にばらばらになっている親戚のほかに、祖国からは誰一人も慰めの言葉を伝えてきた人がいないんです」
パクさんは、自分がロシア人でも韓国人でもないという事実が、これほど寂しく思われたことがないとし、涙ぐんでいた。
kimkihy@donga.com