Go to contents

[オピニオン]1秒

Posted August. 03, 2005 03:05,   

한국어

今年人類に1秒の時間が「おまけ」される。「今年12月31日23時59分」と「来年1月 1日0時0分」の間は、1秒長くなって61秒になる。うるう秒だ。地球標準の原子時計を地球の自転速度に合わせる物理的調整のため、1972年にうるう秒が導入されて、今回で23回目だ。1日24時間は地球の自転速度だ。しかし、この20〜30年、自転速度が毎年約1秒ずつ遅くなり時間の調整が不可欠になった。強い風と海流の影響だという。

◆普通の人にとって、1秒はなんでもない時間かも知れない。しかし通信、航海、航空管制などでは、1秒の誤差は致命的だ。たとえば公海上で舵の作動が1秒遅れると、船の方向に400mものズレが生じると言う。陸上競技やスピード・スケートでは数百分の1秒で勝負が決まる。サッカー選手がセンタリングしてくれたボールを頭や足に当てるためには0.01秒の動作で全身を投げ込まなければならない。

◆ビッグバン理論によると、太古、宇宙は一つの点のような状態だったが、ある瞬間に起きた大爆発で現在の宇宙秩序が形成されたという。当時あっという間に行われた爆発のほうが、その後進行した宇宙の変化より規模が大きかったというのが学者たちの説明だ。逆説的ではあるが、1秒に満たない大爆発の時間が宇宙の年齢である150億〜200億年よりはるかに長かったというわけだ。刹那は、即永遠であり、永遠は即刹那という言葉が実感される。

◆刹那は時間の最小単位を指す仏教用語だ。仏教書籍『大毘婆沙論』によれば、1刹那は75分の1秒だ。してみると、人類に今年与えられた時間は75刹那だ。しかし瞬間を大切にする人には決して短い時間ではなかろう。時間を使うのが下手な者だけが、時間が短いと不平を言う。「大人は一尺の壁より一寸の時間を大切にする。時間は得にくく、失いやすい」。『淮南子』に出てくる言葉だ。

宋煐彦(ソン・ヨンオン)論説委員 youngeon@donga.com