Go to contents

[オピニオン]偽作の美術品

Posted August. 01, 2005 06:08,   

한국어

偉大な画家も、自分が描いた作品を見分けられない場合がしばしばある。作故した画家の絵は鑑定委員が鑑定をするが、生存画家の作品は本人に確認するのが原則だ。大家として認められたL氏は、自分の代表作1点を前にして、隅々まで指摘しながら偽作だと腹を立てたことがある。後で、同氏の息子が「父親がその作品を描くとき、そばで見守っていた」と証言しなかったら、美術史的から重要な絵が「偽作」として死蔵されるところだった。

◆自分の記憶力と判断力を信用できず、画商や所蔵者の鑑定要請を断る元老の画家もいる。最高の専門家も精巧に模写された偽作を本物と間違って判断することもある。それで美術品の鑑定は「真実究明」ではなく「推定」に過ぎないとも言われる。「偽物」を本物と判定する場合の弊害より、本物を偽物と判定した時の弊害の方がさらに大きいという見方もある。偉大な画家の本物の作品を「偽物」と判定することで、美術史に大きな損失をもたらしかねないからだ。

◆李仲燮(イ・ジュンソプ)と朴寿根(パク・スグン)は、生前に認めてもらえず、不幸な短い生を終えた。李仲燮は釜山(プサン)避乱時代、お金がなくて絵の材料が買えず、喫茶店に座ってタバコの銀箔紙に絵を描いた。朴寿根は米軍部隊の売店で1ドルのハンカチに米軍の肖像画を描き5ドルに売って、生計を立てた。2人の画家は死後、高い評価を受けて、偽作が一番多く出回る作家になった。

◆偽作をめぐる是非が起きた李仲燮、朴寿根の絵に対して、検察の依頼を受けた美術専門家14人が「偽作」だという意見を示した。しかし、確信がなくて意見表示を避けようとする専門家が多かった。ついでに美術市場の詐欺行為と流通の乱脈を見直すべきだという意見に弾みがついている。反面、「李仲燮の惨めな死が胸に恨(はん)として残っているはずの遺家族が偽作を作ったのだろうか」と慎重に判断すべきだという意見も少なくない。検察の捜査結果が注目される。

黄鎬澤(ファン・ホテク)論説委員hthwang@donga.com