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[オピニオン]トヨタ精神

Posted July. 29, 2005 03:04,   

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グローバリゼーションの時代における経済法則を説明したトーマス・フリードマンの著書『レクサスのオリーブの木』は、27の言語で出版された。フリードマンは時速290kmの新幹線に乗って訪れた企業都市豊田市の自動車工場で強烈な印象を受けた。それで本のタイトルをトヨタが作る「レクサス」から取ってきた。「人は品質管理をし、事実上、全ての仕事をロボットがやりこなしていた。私は自動車のフロントガラスをつける接着ロボットに完全に魅了された。ロボットの腕が窓ガラスの周辺を回りながら、熱い液体ゴムを接着させるのだが、少しの誤差もなく、完璧に仕事をこなしていた。」

◆トヨタは米フォーチュン誌が選定するグローバルオールスター企業で5位にランクされたアジア最大の企業だ。世界の自動車業界で販売台数のみを見てみればGMがトップだが、純利益や技術力などでは、トヨタが事実上最高だ。トヨタは2年連続1兆円以上の純利益を出しており、米国市場での摩擦を避けるため、赤字を出したGMを支援したりもした。

◆先月で入社41年目のトヨタの新社長になった渡辺棲昭(63)社長は記者会見で、「現代(ヒョンデ)自動車を分解してトヨタと比較し、どういう点がよくて、どういう点が悪いかを調べるように指示した」と述べた。韓国の取材陣を意識しての発言であろうが、トヨタがライバルと思うようになったのだから、現代自動車もすごい。現代自動車もトヨタをはじめ、世界の名車を分解してベンチマーキングする。しかし、世界最高の会社が世界7位の会社について勉強するというのは、さらに注目すべきことなのだ。

◆奥田碩会長はトヨタの社員に、「道を歩くときも中央を歩かずに、道の端を歩きながら道行く人々を観察するのが商人だ」と教育する。トヨタぐらいになれば、道の真ん中を肩で風を切って歩いてもよさそうだが、道の端を歩きながら道路の流れを観察しなければならないということだ。一歩先を行きながらも、後から付いてくるライバルを研究しつつ、自己革新を怠らないのがトヨタの精神だ。

黄鎬沢(ファン・ホテク)論説委員 hthwang@donga.com