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[社説]「統制に突き進む政府」経済の座礁が憂慮される

[社説]「統制に突き進む政府」経済の座礁が憂慮される

Posted July. 20, 2005 03:14,   

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盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権が最近になって、経済と国家の繁栄をけん引してきた自由市場経済を揺さぶっていると私たちは見る。市場に対する統制欲求と官治行動は、開発独裁時代に舞い戻ったような感じさえ受ける。政府与党は、「政策(政府)の失敗」を「市場の失敗」に責任転嫁し、市場経済の存立根拠である自由財産権と契約の自由に対してまで、越えてはならない一線を越えようとする動きを見せている。

そのために、市場が自律的機能を失いつつあり、投資と消費のい縮が長期化して、マネーと人の海外脱出が加速化するという憂うべき様相が現われている。自由財産にまでも国家が介入して、公有化しようとする反市場的な政策推進は、憲法秩序の根本までも揺さぶるものだ。このままでは、「牛の角を治そうとして牛を殺す」ような経済の一大後退が現実として現われはしないか、という憂慮の声が専門家たちの間から出ている。

このような状況で、盧政権は国民の財産である税金を無限財のように、無理やり集めて放漫に管理し、国民が委託した公職を権力の戦利品かのように「自分コード」の人々で埋め、「非效率的な大きな政府」に向かって突っ走っている。

最近の全国各地の地価と住宅価格の急騰は、「市場の失敗」以前に「一を見て二を見ない」強引な政策がもたらした「総合的な政府の失敗」の結果である。400兆ウォンを上回る市中の浮動資金を生産的な投資に誘引できる制度を導入して一貫して推進し、企業環境、市場環境、そして社会ムードをそのような方向に導いたなら、今のような不動産の「狂風」は、かなりの部分緩和できたはずである。にもかかわらず、副作用と後遺症を見過ごしたまま、国土を全面改造するかのように、行政特別都市、企業都市、革新都市などの計画を無分別に推し進めた。また、效率性と地域関連性などを十分に考慮せず、176の公企業の移転計画を発表した。住宅政策では、市場の自然な需要に背を向けて、需要供給の抑制に焦点を合わせた政策に固執した。その結果がまさに、地価と一部地域の住宅価格の急騰として現われ、相対的な両極化が深まった。

にもかかわらず、政府の対応には政治的な解決策だけが目立つ。民間の投資心理を回復させて、国家の成長動力を活性化させるための総合的な処方はなく、「不動産たたき」が経済政策の最終目標であるかのように対応する。盧泰愚(ノ・テウ)政権の時に施行して、違憲判決まで受けた土地公概念を再び導入して投機を抑えるということも、その代表的な例だ。政府はまた、約5万の不動産資産家のブラックリストまで作成した。自由財産権の行使まで国家が監視統制するという超法規的な発想である。

国土が狭い韓国の実状では、不動産が公共財的な性格を持つことは事実だ。しかし、財産権の行使の制約は、極めて例外的に許容されなければならない。さらに、住宅価格や地価の急騰の根本要因である需要供給の問題をそのままにして、不動産の所有と取引きを直接統制するということは、胃腸病の患者に消化薬を与えるようなものだ。「1980、90年代の南米のポピュリスト(大衆迎合主義者)政権が、貧富の葛藤を政治的に利用して、『国富流出』で経済を崩壊させた前例を忘れてはならない」という専門家たちの警告に、耳を傾けなければならない。

自由財産権に対する侵害は、様々な形で進んでいる。大企業系列の金融機関が保有する系列会社の持分の5%を超える超過保有株式を、強制売却するように義務づける法案を推進したことも一例だ。一方、必要とされる首都圏地域の先端工場の新・増設の許可は、地域均衡発展の論理を掲げて反対している。

このように、政府がすべての問題を握って官治で解決するという発想は、同政権が嫌悪する「朴正煕(パク・チョンヒ)時代」に回帰することを意味する。現政権は、自ら自己矛盾に陥っているわけだ。

自由財産権に対する脅威は、すでに「国富流出」としてあらわれている。海外移民者の財産搬出額は、今年に入って5月末までに1兆ウォンを超えた。消費の風潮が広がり、家計の消費で海外消費の占める割合は、昨年の3.1%から3.6%に増えた。米国、日本の3倍の水準である。今年の国民1人当たりの国税負担は、昨年よりも10%増加の270万ウォンにのぼる見通しだが、現政権は投資財源が足りないと不平を漏らす。国民の血税の恐ろしさを知らずに、「韓国版ニューディール」を云々して金を使うことばかりに没頭している。

経済を活性化させるためには、もはや「頑固」と「コード」を捨てて、原点に戻ってすべてを見直さなければならない。何よりも、市場を活性化させて、その機能を十分に作動させることが、経済回復の近道であることを自覚すべきである。それは、政権が直面している危機を脱出する鍵でもある。