Go to contents

石油化学業界「泣きたい気持ち」

Posted July. 11, 2005 03:20,   

한국어

この3年間、類例を見ない好況が続いていた韓国内の石油化学産業が揺れている。原油価格の高騰によるコスト上昇、中国・中東地域の供給量急増、回復する見込みのない国内景気などで、二重、三重の圧迫に直面しているのだ。

とりわけ、今年後半から世界石油化学製品市場の供給が需要を大きく上回るものと見込まれ、輸出価格が下落しており、採算性の悪化も懸念されている。専門家らは「石油化学産業の貿易黒字は、韓国の貿易収支黒字全体の30%にあたる」とし、「今年後半の輸出全体に及ぼす影響が少なくないだろう」との見方を示している。

▲供給超過に原油価格の高騰まで〓石油化学産業の足かせになっているのは、アイロニーながら昨年の「好況」だ。ここ数年間好況が続いた世界各国が、先を争って工場を新設したり、稼働率を高め、供給量が急増した。

今年3月に中国セコ社が年間90万トンを生産する工場を新しく建設したことに続いて、7月にはバスプヤンツが60万トン、12月にはCNOOC社が80万トンの工場を稼働する予定だ。9月には、イランでサソールが100万トンにのぼる石油化学製品を送りだす。ここに原油価格の急騰という新しい「悩みの種」が登場した。

昨年までは、世界の需要が供給を大きく上回り、原油価格の上昇によるコスト上昇を輸出価格に転嫁できたが、現在は原油価格高騰による負担をそのまま抱えなければならない状況だ。実際、6月の主要合成樹脂の平均価格は先月1トン当たり1009ドル(約10万円)で、前年同月(1116ドル)に比べて9.6%下落しており、今年に入ってからも3月以降4カ月連続し下落した。

三星(サムスン)証券の李ウルス研究委員は「今年初めまでは、原油価格高騰によるコスト増加を100%、エチレンは130%まで製品に転嫁できたが、今年は約80〜90%だけ反映している」とし、「韓国内の石油化学企業の採算性が懸念されている」と話した。

▲輸出前線にもう一つの伏兵〓原油価格の高騰は、精油会社よりはエチレンなど基礎原料を生産する石油化学会社や合成樹脂を作る化学会社に及ぼす影響が大きい。合成樹脂のなかでも、大手家電製品向けのプラスチック原料であるABS(アクリロニトリル)樹脂やPSなど高価製品よりは、パイプやビニールを作るPVC(ポリ塩化ビニル)、PPなど汎用製品であるほど打撃が大きい。

汎用製品であるほど生産者が多く、競争が激しいからだ。石油化学製品を生産するA社の海外営業担当重役は「内需景気の低迷で、輸出の割合を増やしてきたが、現在は海外でも競争が激しく、頭を悩ませている」とし、「毎日、対策会議を開いても解答が出ない」と溜息をついた。

石油化学製品の輸出が停滞すれば、全体輸出も影響を受ける。韓国産業研究院の張錫仁(チャン・ソクイン)主力基幹産業室長は、「石油化学産業は生産金額ベースでは韓国内製造業の6%にすぎないが、貿易収支は全体黒字の31%にあたるほど内実のある産業」とし、「下半期の輸出で、否定的な要因として登場した」と指摘した。

張室長は「石油化学産業は同じ製品グループだと品質の格差がほとんどなく、生産能力の大きい企業であるほど有利だ」とし、「大規模な合併・買収(M&A)を通じて規模を増やすか、高付加価値商品に移らなければならない」との見解を語った。



changkim@donga.com