
昼の12時1分から始まった電子投票が45分で終わり、国際オリンピック委員会(IOC)のジャック・ロゲ会長が壇上に立った、8日のシンガポール・ラッフルズ・プラザ・ホテルのラッフルズボールルーム。
夏季五輪の現在の28種目が全て維持されるだろうという有力な外信の報道とは違い、4番目の野球と20番目のソフトボールの脱落が発表され、続いて21番目のテコンドーの番。「もしかして、我々も…」と緊張の手綱を緩めなかった趙正源(チョ・ジョンウォン)世界テコンドー連盟(WTF)総裁や金正吉(キム・ジョンギル)大韓オリンピック委員会(KOC)委員長ら、韓国代表団はロゲ会長がテコンドーの名を読んだ後、「included」という短い言葉で残留を宣言すると、一斉に歓呼を上げた。
国技のテコンドーが五輪スポーツとしてロング・ランの道を開いた。テコンドーは同日、第117回シンガポールのIOC総会種目残留賛否投票で過半数の獲得に成功し、12年ロンドン五輪にも正式種目として参加できることになった。00年シドニー五輪以後、4回連続五輪舞台への進出。
趙正源総裁は、「テコンドーは韓国が世界に送った贈り物だ。だからさらに五輪で守り抜かなければならない。テコンドーの改革作業を仕上げて、4年後、再び除外されるかどうかをめぐって国民の皆さんに心配を掛けないように努力する」と感想と覚悟を同時に述べた。
一方、1992年、バルセロナ五輪で正式種目に採択された野球と、1996年アトランタ五輪から参加したソフトボールは、1936年に脱落したポロにつづき、69年ぶりの除外種目となった。
同日の投票は、夏季五輪の28種目に対して個別に実施され、得票数はスポンサーとテレビ中継権契約に悪影響を与えかねないとして公開されなかった。
IOCは夜、執行委員会を開いてラグビー、ゴルフ、空手、スカッシュ、ローラースポーツの中から2種目を選定する予定だ。候補種目は9日の総会で、在籍の3分の2以上の賛成が得られれば、五輪種目に格上げされ、再び過半数の賛成を得れば、12年正式種目に採択される。
テコンドーが五輪の正式種目としての地位を維持できたのは、「ポスト金雲龍(キム・ウンヨン)」以後できたスポーツ外交の空白を、金正吉委員長を中心としたKOCのシステム外交で克服し、趙総裁就任後、1ヵ月にわたって進められてきたテコンドーの高い改革意志がIOCにアピールしたためという評価。
179ヵ国の会員国に世界中で6000万人の同好者を確保していて、規模の面でも28種目のうち上位10位内に入る巨大種目として根付いたテコンドーの底辺拡大も一役買った。
一方、趙総裁はテコンドーが4回連続正式種目になったことにより、再選に挑戦する09年以降、国際柔道連盟の朴容晟(パク・ヨンソン)会長のように、種目IOC委員になる可能性を高めた。
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