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[オピニオン]インターネットスパイ

Posted July. 07, 2005 02:30,   

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国家情報院(国情院)の安保展示館には、1960年代以後検挙されたスパイ(間諜)が所持していた装備が展示されている。拳銃、毒針、乱数表から各種浸透用装備、凶器などに変わるめがね、万年筆などに至るまで種類も様々だ。しかし、最近の映画に出てくる先端諜報装備に慣れている目から見れば、大体粗悪な感を拭えない。「今時のスパイが、こういったものを持ち歩くのか」という疑問が出てくるほどだ。

◆スパイの辞書的意味は、「密かに敵や競争相手の情報を把握して、味方に報告する人」だ。そういう意味からすれば、過去においてスパイが侵入してきた時に所持していた装備の効用価値は、大きく落ちたであろう。インターネットという文明の利器があるのに、あえて従来通り軍部隊や安保施設を直接偵察する必要があるだろうか。しかも、「有用な情報の90%以上は、公開されている資料の中にある」というのが、情報分野の常識になって久しいからだ。

◆国情院がインターネットで活動していたスパイ2人を検挙したことが、このほど明らかになった。北朝鮮の対南工作機関と接触を試み、報告書を送った疑いだそうだ。北朝鮮が精鋭の「ハッキング部隊」を運営しているという分析がずいぶん前から出ていたことを勘案すれば、それほど驚くようなことでもない。インターネットはもともと軍事用途で米国防総省が1996年に開発したのがその始まりだ。「戦争が勃発しても生き残れる通信網の構築」が開発目的だった。そういうわけで誕生したインターネットが、今では逆に安保の危害要因になったのはアイロニーである。

◆とにかく「スパイの検挙」はますます難しくなるばかりだ。「匿名の海」であるインターネットで暗躍するスパイを見つけ出すのは簡単ではない。こうした状況で、政界の一部では国家保安法を直ちに廃止すべきだと声高に主張している。スパイが入り込むスペースはだんだん広くなっているのに、それを防ぐ当局の対応手段を奪ってしまう格好だ。久しぶりにスパイの検挙ニュースを聞いた知人が、「それでもスパイを捕まえているらしいね」と言った。結局、重要なのは、スパイを必ず捕まえるという当局の意志である。

宋文弘(ソン・ムンホン)論説委員 songmh@donga.com