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保安が生命のヘッドハンティングの世界

Posted July. 02, 2005 06:10,   

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ジョブ・リンク・ヘッドハンティングチームの金恩珠(キム・ウンジュ)課長は、昨年末、ある中堅企業の管理担当理事から営業担当理事を推薦してくれという連絡を受けた。管理理事は、「人事チームには秘密にして進めている。分かっているだろうが、会社の内外に話がもれないように気をつけてほしい」と頼んだ。

今年3月、ある外資系企業がマーケティング総括理事の選抜を担当するヘッドハンティング業者を募集する広告を出すと、6社が応募してし烈な競争を繰り広げた。公募に参加したエンターウェイの金景秀(キム・ギョンス)副社長は、プレゼンテーション(PT)で「情報技術(IT)分野のA社、コンサルティング分野のS社などでヘッドハンティングを実現させた」と、企業のイニシャルだけを明らかにした。実績を最大限広報しなければならない競争PTでも、クライアント企業は絶対公開しないのが原則であるからだ。

役員級以上の幹部に対するヘッドハンティングは、情報戦のように隠密に行われる。先月、KT社長に内定された南重秀(ナム・ジュンス)KTF社長は、2社のヘッドハンティング会社から推薦してもらったと知られているが、KTは関連情報を一切公開していない。「保安=生命」で通じるところが、まさに幹部級ヘッドハンティングの世界だ。

▲隠密かつ迅速に〓ヘッドハンターたちは、志願者たちが現在勤めている会社には絶対出入りしない。スカウトヘッドハンティング事業部の辺仁植(ビョン・インシク)チーム長は、「会社から遠く離れているホテルのコーヒーショップで会ったり、志願者をうちの会社に来させる」とし、「先に電話するよりは、文字メッセージを送って連絡を待つ」と述べた。

幹部級の場合、ヘッドハンターが対象者を捜して接触を試みるのが一般的だが、離職の考えを示す前は、クライアント企業の名前を明かさない。給与、職責、業務分野のみを知らせるだけだ。クライアント企業にも志願者の身分と会社は知らせずに、プロフィールを送って考えを聞く。

最終候補者に対しては、候補者が加入している同好会や協会の関係者に会って、評判を確認する作業も行う。もちろん、このときも、ヘッドハンティングであることが気付かれないように、「インタビューの依頼が入って、資料を集めている」というふうに「煙幕作戦」を展開しなければならない。

エンターウェイの金副社長は、「一部の志願者は、知り合いに長所のみを話してくれと根回しをしておいたりする。最大限多くの人に会って、正確な情報をキャッチするのがかぎ」と述べた。

▲薄氷の上を歩くように〓企業側からも幹部級を選抜するときは、人事チームを排除し、担当理事や代表が直接ヘッドハンターに依頼する場合が多い。外部に人を探しているという噂が広がれば、昇進を期待している内部の関係者からけん制が入ったりすることがたびたびあるからだ。

実際、ある企業では大株主が新しい最高経営者(CEO)を物色しているという事実が知られると、現職のCEOが友好勢力を動員して、会社の株式を買収して、防御に乗り出し、葛藤が増幅したりもした。

ユニコサーチの崔政秀(チェ・ジョンス)副社長は、「ヘッドハンターは一度信頼を失えば、それで居場所がなくなる。仕事のことは、家族はもちろん友達にも言わない」と話した。



孫曉林 aryssong@donga.com