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[社説]李首相の危険な現実認識

Posted July. 01, 2005 05:54,   

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李海瓚(イ・ヘチャン)首相の就任1周年の記者会見を見れば、韓国の経済はうまくいっている。李首相は、「庶民生活が前のように贅沢ではないが、安定を取り戻しており、庶民の住宅価格も安定している。景気は10月ごろ回復する。無理な成長は所得格差や物価不安をもたらす」と述べた。

都市勤労者世帯の下位20%は、昨年の実質所得が減った。全国世帯の半分に近い40%は、今年第1四半期の家計収支が赤字だった。零細自営業者の30%は、月の所得が最低生計費(4人家族基準で113万ウォン)に及ばない。自営業者の20%は、年間売り上げ対比の負債率が平均174%である。

李首相はこうした数字を報告していないばかりか、「庶民生活が安定を取り戻している」という見方を示した。判断がこうなのに、庶民の苦しみを一緒に感じてこそ立てられる対策を持っているのか疑問である。

李首相は、「住宅価格がソウル江南(カンナム)だけが上がって、麻浦(マポ)や西大門(ソデムン)などほかの地域では上がっていない」とし、不動産政策が成功したかのように述べた。

政府は、「江南地域の住宅価格の上昇が分配の両極化を呼ぶ」とし、盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領の指揮の下で、約2年にわたって「江南叩き」政策を展開した。住宅価格の両極化がさらに深まったのが結果だ。

京畿城南市(キョンギ・ソンナムシ)と盆唐(ブンダン)一帯や、高陽市(コヤンシ)一山(イルサン)の一部地域の中大型マンションの価格上昇の勢いも激しい。李首相は、分配の両極化をさらに深化させた政策を成功したと言っているわけだ。地主が価格の追加上昇を見込んで売っていないことを、「市場の安定」と見ているようだ。土地投機の動きは、公営企業の地方への移転計画発表後、さらに強くなった。

政府は、8月に不動産総合対策を打ち出すと、2週間前に明らかにした。これまでの政策を成功だと見て打ち出す対策が、住宅価格の両極化と全国の投機場の化にもう一度油を注ぐのではないか心配だ。

李首相はまた、「投資が健全になりつついる。副作用を生む景気てこ入れはしない」と述べた。もう数年間、成長性が見込めて有望なところへの投資が低迷し、経済の成長潜在力が墜落していることを、経済専門家たちと市場は知っている。

政府は数十兆ウォンの財政を降り注ぎ、数百兆ウォン規模の各種国土開発事業を行うなど、人為的な景気浮揚策を使ってきた。それにも関わらず、外国の機関は今年の成長率を3%台と見ている。大統領選挙の時、盧候補が年7%で公約した成長が3%台に落ちているのに、李首相はかえって「無理な成長」の副作用を心配している。

政策の失敗よりもっと悪いのは、失敗を認めないことだ。それはおそらく、正直な代案をまとめることができないから力量の無さからくるのだろう。