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本紙記者、KF16戦闘機に搭乗

Posted June. 25, 2005 06:06,   

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離陸30秒前。心臓が張り裂けそうに動揺し、荒くなった呼吸を整えるのがやっとだった。緊張でのどが乾くなか、ついに「テイク・オフ(take off)」という離陸許可が下された。

21日午前、中部前線の空軍第19戦闘飛行団の滑走路。記者とコン・スンベ(空士39期)少領が乗り込んだ最新鋭KF16戦闘機の2万9000パウンドのターボエンジンが、最高出力で唸りをあげた。「ウーッ」という音が鳴る。全身が後ろに引かれ、操縦席にしがみついた。

窓の外では滑走路があっというまに通り過ぎ、機体が上昇するや空がぐるぐると回り、くらっとめまいがした。離陸1分。7000フィート(約2300m)上空まで上昇した機体はバランスを取った。機体の外の国土の姿が徐々に目に入ってきた。

「空よ。多くの護国英霊たちが命をかけて守った純潔な祖国の空よ。そして艱難(かんなん)の歴史の中でも、その光を失わない山河のまぶしい美しさよ・・・」

今年で、民族があい争った朝鮮戦争が勃発して55年。あの時この地と領土を守るために、どれほど多くの若者達が血と汗を流したかを思うと、のどから熱いものがこみ上げてくる。祖国の蒼天を鷹のように飛び、国土を守護する誇らしい空軍の姿を彼らは見ているだろうか。

操縦席の緑のヘッドアップ・ディスプレー(HUD)など、約10の計器盤には多くの数字と信号が現れては消えた。ヘルメットのヘッドホーンには、コン少領と地上管制所が交信する音と機械音が、耳が痛くなるほど絶え間なく続いた。

約10分後に、雪岳山(ソラクサン)上空に到着した。その向こうの北の方向には、韓半島の腰を裂く非武装地帯が走っている。祖国の領空が50年以上にもわたって引き裂かれた分断の現場で、機首を回して白頭(ペクトゥ)山脈にそって南下する心はこの上なく重かった。

見下ろすうっそうとした山林は、初夏の日の光に反射して、さらに青く感じられた。機体の左には、東海(トンヘ=日本海)の海岸線が、かすかに目に入った。



ysh1005@donga.com