Go to contents

誘惑探検

Posted June. 25, 2005 06:06,   

한국어

現代人にとって恋愛は必修課目だ。昔は親や仲人が配偶者を紹介してくれたが、今では自分で相手を探す場合が多いからだ。誘惑は現代的恋愛の1幕1場だ。しかし、誘惑は東西を問わず伝統的に堕落・ごまかし・性的征服を含めた単語だった。キリスト教創世神話で人類最初の誘惑者は、イブに善悪果を食べさせた蛇、すなわちサタンだった。神が人間に禁慾的な理性と霊魂の不滅性を与えたとしたら、サタンは極めて世俗的なもの、すなわち動物性といつかは死ぬ、しかしあまりにも享楽的な運命を与えた。ドン・ファンやカサノバのような誘惑の名手たちは、まさにこの動物性に忠実な人たちだ。

フランスの有名な精神科専門医である著者は、そのような人間の動物性を直視することによって、これを乗り越えることを提案する。彼はこのため、五感とホルモンで構成された「感覚の谷」に飛び込み、近親相姦と小児愛のような「タブーの沼」をかき分けてゆく。その探険の地図と羅針盤は動物行動学・進化生物学・人類学のような科学だが、人文学的知識を頼れる杖とする。

▽「彼女はリボルバーのような目を持っている。彼女の視線は命を奪い取ってしまう」=誘惑の第一感覚は視覚だ。番人気質の女性より狩人気質の男性にとってはさらにそうだ。男性たちは女性の瞳孔の大きさに敏感に反応する。男性たちは同じ女性の写真でも瞳孔をもっと大きくした写真に全員が好感を示す。これに気づいたルネサンス期の女性たちは瞳孔を拡大し視線の深みを増すため、アトロピン製剤を主成分にした植物の抽出物を目薬に使った。アトロピン成分は心臓の鼓動を加速化し、痙攣を起こし、唇を乾かせ、愛に陷った時とまったく同じ症状をもたらす。その植物の名はベラドナ(「美しい夫人」という意味)だ。

▽「彼の歌で私をやさしく殺してください」=視覚が誘惑の対象を発見させるなら、聴覚からは真の誘惑が始まる。女性たちはテナーよりベースにさらに弱い。フランク・シナトラをはじめイタリア男性たちのちょっとハスキーな声ほど、女性を誘惑する声はない。反面、男性たちはマリリン・モンローの鼻音や「ポパイ」のオリーブのようなかん高い声に魅かれる。一方、ナイトクラブで鼓膜が裂けるようなうるさい音楽を流すのは、音がアルコールや踊りのように理性がつかさどる前頭葉の活動を阻止し、本能と感情を管掌する大脳辺縁系を刺激するからだ。また、強烈な音は、自律神経系のアセチルコリンを封鎖し、アトロピンの作用と類似した症状を起こす。

▽「愛の味と匂いは、汗と性器の味と匂いだ」=愛はお互いを味わおうとする欲望だ。キスはお互いを味わう行為だ。ブラジルの農村では、言うことを聞かない夫たちを掌握する必要がある時、独特な「愛の妙薬」を飲ませる。長い間はいていたパンティーを沸かしていれたコーヒーだ。一方、嗅覚は誘惑の最も強力な兵器だ。他の感覚は諦めることができるが、息をするためには嗅覚は諦めることができないからだ。ナポレオンが戦地でジョセフィーヌに送った手紙の中で「2週後には帰るから、身を洗わず待ってほしい」という文や、「寝る時に私が着るのはシャネルナンバー5だけ」というモンローの言葉は、嗅覚の威力を物語ってくれる。性的フェロモンに関する数多くの研究結果もこれを裏付ける。

▽「あなたを愛している。何故なら、あなたはとても幼くて幼くて幼いから」=モンローの真の魅力は、彼女が愛嬌の名手ということにある。彼女は子供のような魅力で、男性たちの魂を奪ったのだ。人間はますます幼く見える外見の理性に誘惑される。人類が幼い時期を延長する「幼形成熟」を進化戦略として選択したからだ。人間の幼形成熟は引き続き進行中だ。人間の成長板は、3万年前には18歳を前後に成長を止めたが、今日、この組職は25歳まで育ち続ける。援助交際や小児愛はその副作用だ。

P.S.男性中心主義から脱しようとする著者の努力は何か所で限界にぶつかる。例えば、著者は幼くてきれいな理性を好むことを男性的現象と限定する。フランスには「ハンサム・シンドローム(韓国で美しい男性たちが人気を得ている現象)」がまだ上陸してないようだ。原題S’eduire(2004年)。



confetti@donga.com