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[オピニオン]文字・活字の日

Posted June. 09, 2005 06:17,   

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立花隆(65)さん。1974年、田中角栄元首相の犯法行為を暴いたノンフィクションで有名になった日本の言論人であり評論家だ。国内にも翻訳書が10冊ぐらい紹介されているが、驚きなのは彼の非常に多様な関心分野だ。

宇宙論から臨死体験、脳研究、日本共産党研究、物理学、猿学、現代教養論など、多岐にわたる種類の本を書き上げたのを見れば、この人の脳はどうなっているか知りたくなるほどだ。彼は一冊の本を書くため、少なくても関連書籍を数十冊読破した後、本格的な取材に乗り出す。

◆まさにその立花氏が絶えず提起してきた問題の一つが「知的亡国論」だ。日本教育の全般にわたる水準低下が深刻で、もはや社会が求める人材を送り出せないという主張だ。彼は数年前、この問題を集中的に掘り下げて「東大生はバカになったか」という本も出した。特に、彼は「読まずに書かない」現象を知的危機の大きな原因と見た。

◆立花氏の主張が共鳴を得たのだろうか。日本の与野党議員286人が「文字・活字文化振興法」の制定に積極的に乗り出したというからだ。「文字・活字の日」を作り、学校で言語力向上の教育を強化するなどの内容が盛り込まれているという。読み取りと書き取りの能力はすぐさま思考力、創意力と直結される。創意力のある人が多くなればなるほど、その国の国力も上がる。日本の議員がこの問題を個人に任せず、国レベルの課題に据えた理由であろう。

◆他国の話だとして聞き流せられるような問題ではない。政治指導者からわが国の「知的不況」が日本よりましだといえる根拠がないからだ。

インターネットや携帯電話など、新文明の利器の普遍化は文字文化、ひいては思考の軽薄短小を呼んでいる。教育がその穴を埋めるのも難しい。今政府と国会で起きている泥仕合を見ていると、文字離れ、活字離れ、教養語の失踪に伴う知的後進化を防ぐ突破口が見えてこない。

宋文弘(ソン・ムンホン)論説委員 songmh@donga.com