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[オピニオン]うつ病

Posted June. 08, 2005 06:36,   

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いつも自信に満ちていた英国の政治指導者、ウィンストン・チャーチル(1874〜1965)も、実は一生うつ病に苦しんだと言う。彼が自分のうつ病を「黒い犬(black dog)」と呼んだことを見れば、症状がかなり深刻だったようだ。ここから名をとって『黒い犬ブレキーのうつ病脱出記』を書いたオーストラリアの人気作家ベヴ・エイズベットは、「チャーチルが死ぬまでお酒とタバコを止めることができなかったのはうつ病のため」というもっともらしい解釈を出したりした。

◆うつ病は「心の風邪」とも言われる。それほど有り勝ちな心の病という意味だ。それでも軽んじてはいけない。「センチメンタルな」軽い症状が極度の不安と絶望、自殺衝動につながる可能性が大きい。激しいストレスが感情調節機能に問題を起こして、極端的な症状が現われるというのだ。映画女優イ・ウンジュや香港の俳優レスリー・チャンも、うつ病を患い、自殺したという。世界保健機関(WHO)はすでにうつ病を21世紀3大疾病の一つとあげている。

◆うつ病は、よく中年に現われる精神疾患と知られているが、最近には青少年のうつ病も深刻だと専門家たちは言う。青少年期には不安、いらいら、悲しみなど典型的なうつ病症状を見せないため、軽く見る傾向があるが、実はコンピューター中毒ようなこともうつ病の一種という診断だ。対人関係で認められないことをオンラインで得ようとする行動が、うつ病の他の表現という話だ。

◆ソウル大学が来年、全校生を対象にうつ病実態調査を行うという。自殺が増えて暴力事態が続くなど学生たちの精神健康の問題が意外に深刻だという判断からだ。うつ症がある学生は専門医の相談を受けさせるという計画も明らかにした。青年期のうつ病はどこから来るのだろうか。たぶん中・高校時代の受験のプレッシャー、就職難など過度な競争が一因だろう。それなら個人的な問題を超えて、社会構造的な問題とも言える。それでソウル大学の学生うつ病対策という話自体が、なんとも憂鬱な話だ。

宋大根(ソン・デグン)論説委員dksong@donga.com