Go to contents

三星電子も失敗する時がある

Posted June. 07, 2005 06:38,   

한국어

▲市場予測が外れた

尹鍾竜(ユン・ジョングン)三星(サムスン)電子副会長は同社がグローバル企業に成長できた核心秘訣として「スピード経営」を上げた。

技術変化速度が早い情報技術(IT)産業では、果敢かつ迅速な意思決定が何よりも重要だということ。半導体、液晶表示装置(LCD)、携帯電話部門での三星電子成功神話は、ここに土台が置かれているという説明だ。

ところが、MP3プレーヤーはこのような「スピード経営」から脱し、三星電子のプライドを傷つけた製品だ。

02年まで、同分野の先頭だった三星電子が完全に「辺境」に追いやられたのは、MP3プレーヤーがどんな意味を持つのか、市場がどれほど大きくなるのかに対する予測を間違ったからだ。

米企業のアップルが03年、著作権を買入れた後、消費者が安価に音楽をダウンロードできる「ソロモンの知恵」を出し、状況は180度変わった。

当時、三星電子は他のグローバル企業らと同じく、アップルの成功可能性を低く見て、初期の人気は一時的現象だと判断した。しかし、アップルは3年で1000万台をも超えるMP3プレーヤーを売り、世界市場を席巻した。

尹副会長は役員に、「MP3プレーヤーを世界で最初に商用化したにもかかわらず、何故追いやられたのか、よく考えてみなければならない」と責めつけた。

▲遅ればせながら再出発する

MP3プレーヤーは特別な意味を持つ製品だ。

まず、10代初盤から使うので、未来の潜在顧客を確保する意味が大きい。日本ソニ−の顧客のうち忠誠度が一番高い年令層は30、40代。彼らは10代の時、ソニ−の「ウォークマン」に魅かれて育った世代だ。

また、MP3プレーヤーは一日中持ち歩くので、ブランドを知らせるにも持ってこいだ。携帯電話「Anycall」が三星電子の位相を高めた「1等功臣」だった点と似ている。

三星電子はこれを認め、遅ればせながら会社を挙げてMP3プレーヤーに集中している。子会社である「ブルーテック」のオーディオ研究開発(R&D)及びマーケティング人力を吸収し、本社次元で強力に推し進めている。

▲値下げ政策の後遺症も

後発走者になった三星電子は、3年以内に世界トップになるため、蓄積された半導体技術とデザイン能力、世界販売網を活用している。

しかし、現実的に現われた武器は値下げ戦略だ。中国のように廉価製品を出すのではなく、高級製品の価格を安くする戦略だ。

問題は、値下げの刃先がアップルではなく、レインコム、ゴウォンシステム、エムピオなど国内の中小業者に向けているという点。

ある中小業者関係者は、「海外バイヤーたちから、ブランド価値の高い三星電子より我が社の製品が高いのは理解できないと言われ、納品価格の引下げを要求された。そのため、マージン率が落ち続けている」と溜め息をついた。

これに対し三星電子は、「値下げ攻勢はアップルが先に始めた。三星電子はこれに対応するだけ」と解明した。



金斗英 nirvana1@donga.com