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[オピニオン]持ち主を失った勲章

Posted June. 06, 2005 06:36,   

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「これまで恥ずかしくないように頑張ってきました。ハニー、僕、そうだったろ」戦争映画の古典になった「プライベート・ライアン」に出てくる最後の台詞だ。老人になったライアンが家族と一緒にジョン・ミラー大尉の墓前で昔を回想するシーンだ。ライアン2等兵を家へ帰すために、ミラー大尉と部隊員8人が戦場を歩き回るというこの映画は、「愛国と報勳」の意味を改めて考えさせる。

◆4人兄弟のうち3人までが戦死したライアン家の、末っ子までを犠牲にさせるわけにはいかないという米政府の決定からが印象的だった。結局、数人の部隊員の命とライアン2等兵の命を交換したことになったが、ライアンは戦後模範的な市民としての人生を送り、戦友たちの死が無駄にならなかったことを見せてくれた。一家族の悲劇を見過ごすことのない国だったからこそ、兵士たちは命をかけて命令に従ったのだろう。その犠牲の下で、生き残った者は恥ずかしくない人生を生きようと努力した。「国家と国民」関係のモデルがそこにある。

◆今日は顯忠日(ヒョンチュンイル、殉国者慰霊日)だ。韓国戦争だけでもわが軍は15万8000人の戦死・行方不明者と45万人を超える負傷者を出した。彼ら護国の英霊が今日の大韓民国と4700万人の国民を存在させている。しかし、我々は「恥ずかしくなく生きている」と先烈たちの前で自信を持って言えるのか。国はやるべきことを全うしているのか。先日、西海交戦で戦死した将兵の夫人が「韓国が嫌いだ」と言って、移民して行っても、政府は黙っているばかりだった。恥ずかしすぎて目を向けられなかったのだろうか。

◆軍当局が「韓国戦争の武貢勳章の持ち主を探す活動」を本格的に推進するというニュースは、小さな慰めになる。陸軍によれば、今までも「勲章の持ち主」を探す活動を行い続けているが、まだ9万800個の勲章が持ち主を探せないままだという。戦死・殉職者のうち遺家族が確認されていない事例も約6100件に達するという。こうした活動が「護国報勳の月」6月に時を合わせた展示性行事に止まらないことを望む。一人でも愛国先烈の家族を探せば、愛国の意味はその分大きくなるのではないだろうか。

宋文弘(ソン・ムンホン)論説委員 songmh@donga.com