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希少疾病の患者

Posted June. 04, 2005 06:39,   

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15番染色体の部分欠損によるPWSは、食べても食べても満腹感が得られず、深刻な肥満をもたらす。早く治療しなければ、精神薄弱はいうまでもなく、心臓病や糖尿病につながり命を失う恐れもある。

これといった治療法がなく完治は不可能だが、症状を悪化させないための治療に1月平均100万ウォンがかかる。養護学校に通わせる費用を合わせると、毎月200万ウォン以上の負担が必要になる。

国民基礎生活保障の対象となる底所得層であれば、治療費の全額を国が負担するが、トユン君の家庭はこれに該当しない。

韓国希少疾患連盟によると、現在韓国内の希少疾病患者は約13万人とみられる。先月28日同連盟が京近畿道水原市(キョンギド・スウォンシ)の亜洲(アジュ)大学付属病院で開催した「希少疾患の治療のための社会環境づくりに向けたシンポジウム」は、患者家族の経済負担や困難の解決を図るための場だった。

専門家と患者家族は、政府が希少疾病患者のためのシステムづくりに取り組まないことへの不満を漏らした。同連盟が慈善家の寄付やボランティア活動で助けようと思っているが、政府による積極的な支援なくしては根本的な対策は期待できないという主張だ。

病気になれば、鼻先がそりあがることから「妖精の顔」とも呼ばれる「ウィリアムズ症侯群」をわずらっているチャン・ミンギュ(8)君の母親・金ジンジュ(41・京畿道城南市)さんは「子どもに教育を受けさせなければならないが、京畿道には福祉施設がわずかしかないため、ソウルまで通わせている」ともらした。

保健福祉部は2001年から希少難病の患者に対する支援を開始した。底所得層を中心に71の疾患に対し706億ウォンの医療費を支援している.

同連盟会長の金鉉主(キム・ヒョンジュ)亜洲大学教授は、「世界保健機関(WHO)に報告されている希少疾患は5000以上にのぼる。外国の場合は希少疾病の概念を広範にとらえて政府が支援している」と話した。

経済正義実践市民連合(経実連)によると、多くの欧州諸国では本人負担に上限を設けて患者負担が一定基準を超えると、残りの医療費は兔除になる。フランスの場合、患者負担は治療費で20%程度にすぎない。

経実連で保健医療委員長を務める金鎭晛(キム・ジンヒョン)仁済(インジェ)大学教授は、「医療費はいうまでもなく、患者のリハビリや教育に対する国からの支援がほとんどない。希少疾病の患者はその家族だけでなく社会全体が支えなければならない」と話した。



丁陽煥 ray@donga.com ditto@donga.com