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[オピニオン]古い夫婦

Posted June. 02, 2005 06:21,   

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恋に落ちたことのある人なら分かる。歌謡曲の歌詞がどれほど切ないものなのか。「電話をかけようと小銭に替えた」のような1970年代の歌であれ、「心を塞いでも涙が漏れる」という最近の歌であれ、人には納得してもらえないことも彼らは平気でやりこなす。その恋の力が他ならないホルモンと脳の働きだとすれば空しいか。

◆ロマンチックな恋に落ちたばかりの若者の脳を磁気共鳴画像(MRI)で取ったら、尾状核と呼ばれる部分が活発に動いていたという研究結果を、米ニューヨークタイムズが伝えた。ドーパミンを作る細胞で一杯になっているところだが、このドーパミンという化学物質は、ある補償を期待する時にたくさんできる。虚飢や喉の渇き、または薬物中毒のために理性を失った状態と「脳的」には同じだということだ。しかし、付き合いが長くなると変わる。「恋愛を始めたばかりの時」に動いた部分ではなく、愛着の感情に関わる脳の深い部分が活動する。結婚した後、お互いに失望するのもこのためだ。

◆残忍な科学者はこれを種族保存の法則で説明する。ロマンチックな恋はカップルになるために必ず必要だ。与えるほどもらいたがるという点で強迫的で衝動的だ。しかし、子どもを生んで育てるには適当でない。恋よりは愛着、つまり我々の言い方にすると「情」がさらに重要になる。結婚という法的な枠組みを通じて安定と安楽、情緒的一致を得るのもこの段階だ。ただ楽すぎて夫が家のようで、家内が家具のように感じられるようになるというのが問題だが。

◆1925年6月1日結婚式を挙げ、「世界長寿結婚生活記録保有者」としてギネスブックに上がったイギリス人のパース・エロスミス(105)氏夫婦の80年偕老の秘訣は何だろうか。ロイター通信によれば、一言の言葉だ。婦人のフロレンス(100)氏は「ごめんなさい(sorry)」、夫は「分かったよ(yes,dear)」と言った。「私たちはまだお互いを愛している」という秘訣にしては幸いにもとても簡単だ。偕老を夢見る夫婦なら今すぐ実行してみたらどうだろうか。

金順徳(キム・スンドク)論説委員 yuri@donga.com