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[オピニオン]「被害者日本」

Posted May. 30, 2005 03:24,   

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欧州留学時代、当地の人々と話して理解ができないことがあった。1970年代だったので、知識人社会がほとんど進歩的左翼一色であり、反帝国主義運動が絶頂だった時なので、韓日関係について欧州知識人たちは当然、植民地主義の被害者である韓国の味方であると考えたが、意外にも反応は常にさめたものだった。欧州の人々にとって、日本は第2次世界大戦の戦犯であるよりも、「覇権勢力米国」が行なった原爆実験の被害者としてより強く認識されたためだということが、かなり後になって分かった。

◆当時見たアラン・レネ監督の『24時間の情事』という映画もそうだった。話のあらすじは、ドイツ軍占領下でドイツ兵と愛し合った罪で集団リンチにあったフランス女性が、数十年後に広島で日本人男性と会い、互いが鏡となって傷を確認し合う内容だ。反逆者に対する集団リンチや広島への原爆投下が、西欧社会の集団無意識の中に罪の意識として深く入り込んでいることを暗示していたが、私は理解することができなかった。私には、日本が加害者としてしっかりと内面化されていたため、他の可能性を想像することが難しかったのだ。

◆日本は広島と長崎市が主体になって、この約20年間、米国をはじめ全世界に対して「原爆と戦争」反対運動を積極的に行ない、2020年までにすべての原爆を排除するという平和運動をしながら、支持勢力を幅広く糾合している。人類の歴史上初の原爆被害者が掲げているそのような平和のメッセージを、誰が拒否することができようか。

◆このような運動を通じて、日本は自らを植民の加害者ではなく、無惨な戦争被害者にイメージを固めるのに成功したように見える。そうであるからこそ、終戦60周年を迎えて天皇自らが、サイパンで日本戦没将兵を追悼する行事を全世界の注目を集めたなか、堂々と行おうというのではないだろうか。韓国と中国は、自己中心的に問題を見て接近したために、日本との歴史戦争でも押されているのではないかと心配される。

朴明珍(パク・ミョンジン)客員論説委員(ソウル大学教授・言論学)mjinpark@snu.ac.kr