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[社説]底の抜いた税金、納税者は悔しい

[社説]底の抜いた税金、納税者は悔しい

Posted May. 27, 2005 03:31,   

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納税者の国民と企業の、厳しい経済環境の中で苦労しながら納めている税金が漏れている。公共部門の無駄遣いをみれば、「国の予算は先に持っていくのが持ち主」という誤った認識が蔓延しているのを実感する。予算の編成と効率の分析に関与した経済学者は、「予算の節減分を公務員に配分するとすれば、たぶん現行予算の40%ぐらいは使わなくても、今のように国を運営していくことができるだろう」と言っている。

韓国道路公社など建設交通部傘下の14の機関が、00年から昨年末まで完工したり進行中の100億ウォン以上の工事1322件のうち、1185件が設計変更などで平均2年ずつ遅延された。京釜(キョンブ)高速鉄道の場合、1990年6月、最初事業費推定額が5兆8000億ウォンだったが、度重なる設計変更を経て、1999年18兆ウォンを上回り、10年の完工時点には24兆ウォンに達するものと予測されている。民間会社がこのように生半可なやり方で事を進めていたら、早くも不渡りを出したはずだ。

長期間妥当性検討と各種評価を経て進められたほかの大型国策事業の場合も、政府がいくつかの市民団体などに振り回されて工事を中断したことによる予算の浪費は、天文学的な数値だ。あるお坊さんの断食によって工事が中断された京釜高速鉄2段階事業は、開通遅延による社会経済的な損失が、2兆5000億ウォンだという主張もある。賜牌山(サペサン)トンネル工事遅延による経済的損失は5100億ウォンだった。この中で相当部分を血税で補うしかない。政府の葛藤調整機能の不在がこれを煽っている。

1996年から今年まで4大江の流域水質改善に11兆ウォンを投入したが、それほどの巨額のお金がどこに使われたのか、水質はむしろさらに悪化したものと分析された。交通量の予測を間違えて仁川(インチョン)国際空港高速道路など3個の民資道路に毎年1000億ウォン以上の「最小運営収入保障金」が支援された。このお金も結局は税金だ。

歴代の政権に比べて大幅に増えた福祉予算は、まさに浪費の典型を示す。昨年、雇用安定化事業に割り当てられた予算のうち、113億ウォンはソウル江南(カンナム)にある延べ面積約1750坪規模の建物の買い入れに使われた。職員1人当たり中産層マンションの広さの22.4坪を使っているわけだ。ここに不要に無駄遣いされる予算は、またいくらなのか。全体予算5634億ウォンのほとんどが雇用安定にあまり貢献していないと、監査院も指摘した。政府の支援が切実に求められる庶民に与えられるべき予算が、福祉システムを運用し、その周りで活動している人々に回っているわけだ。

65歳以上の老人に支援される老人交通手当は、所得水準と関係なく月平均8000〜1万5000ウォンずつ支給されている。収入が多くて良い車を持っている老人にまで1万ウォン前後の交通費を支給するのは何の意味もない浪費だ。昨年度の老人交通手当の予算だけでも5017億ウォンに上る。予算執行者の懐から出るお金であれば、こういうふうには使わないだろう。

予算投入の優先順位に対して真剣に悩む姿も見られない。予算を最優先的に使うべきところは、国家競争力を高め、経済成長のパイを育てる部門だ。しかし、成長型予算より消費型・誇示型予算にお金を注いでいる。

各地方自治体は豪華な庁舎作りに競争的だが、住民に対するサービスの改善は後回しにしている。龍仁市(ヨンインシ)の1800億ウォンもの新庁舍は、「龍仁宮」というニックネームが付けられている。宮殿のような庁舎を建てる自治体と公共機関が一つや二つではない。建物は立派だが、公共サービスの質はかえって悪化した。世界経済フォーラム(WEF)が発表した公共部門の競争力は昨年41位だった。

ソウルのある区役所では公務員が勤務記録を操作して残業手当を横領する事件が起こった。公職社会で慣行化した残業手当の横領は税金泥棒に当たる。税金の執行をけん制し、監視しなければならない国会議員と地方議員も税金を惜しまなく使う外遊に熱心だ。

公共部門だけが予算を浪費しているわけでなく、数々の民間団体までともすれば税金に手を出す。03年500余りの市民団体に約400億ウォンの政府予算が支援された。政府のお金をもらいながら、市民団体の政治的中立が維持できるか疑問である。一部団体は最初から予算を使う考えで立ち上げられる。

民間部門に対する無分別な予算支援は自活力を弱め、構造調整を遅らせることで、市場の秩序を歪曲し、公正な競争をかえって妨げる憂慮がある。全国民が納めた税金で特定産業分野の特定企業に差別的に予算を支援する政策は、違憲の余地もある。

税金と4大義務保険の保険料値上げで国民の負担が急激に増えている。国会予算政策処によれば、名目国内総生産(GDP)は、1999年から03年まで年平均8%増加した。同期間、租税収入は94兆ウォンから147兆8000億ウォンで年平均11.9%増加した。このような負担率増加速度は、経済協力開発機構(OECD)の加盟国の中で最も高いにも関わらず、政府と与党ヨルリン・ウリ党は韓国国民の租税負担率が先進国に比べて低いという話のみを繰り返している。様々な税制再編で個人、自営業者、企業といったすべての経済主体が急激な税負担で苦しんでいる。景気低迷と構造調整のため所得は横ばいだったり減っているのに、税金と4大保険料は引き上げられる一方だ。政府は国民の政府離れの決定的な原因が、国民の租税抵抗の心理にあることを認識すべきである。

公共部門の非効率化と肥大化は単に政府の失敗に終らず、民間部門の活力を委縮させる。公共部門が非効率的な浪費を維持するため、企業と家計に莫大な税金と準租税を課し、不要な干渉を通じて市場を活力を奪っているわけだ。

現政権は税金を吸い込む公共部門の非効率を減らすための公企業民営化政策も事実上中断した。公企業を地方に分けて移転するのが改革ではない。民営化こそ公企業の改革の核心だ。

予算編成と審議過程の透明性も大きく低下した。国家の予算審議過程で行政省庁、公企業、国会議員、自治体の間で分け合い競争が繰り広げられる。不要な予算をもらっておいて、使うところがなくて、一日に10台の自動車も通行しない山道まで包装する。税金が国民の血と汗だという認識があるならば、こういうふうな無駄遣いはできないだろう。

盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領は先月、5%予算節減の目標を示した。しかし、盧政権が打ち出した地域均衡発展と配分の国政目標を実現するためには、「大きな政府」を維持するしかないという態度を見せている。真に国民の負担を減らすため、予算を節減する意志があるならば、歴代政権のように歳出の規模を凍結する決断を下す必要がある。

政府は、現実的に各種事業の優先順位を再調整して限られた資源で、効率性を極大化できる構造調整に乗り出さなければならない。不要な予算増大をもたらす均衡発展と自主国防と均衡外交という国政目標も、現実に合わせて見直さなければならない。