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ピエール・レビー教授、「インフラ強国韓国、ネット時代に特権的な存在」

ピエール・レビー教授、「インフラ強国韓国、ネット時代に特権的な存在」

Posted May. 27, 2005 03:28,   

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カナダ・オタワ大学のピエール・レビー教授は「サイバー空間の哲学者」と呼ばれる。同教授はインターネットによって起きた暮らしの変化を新しい文明の誕生として把握する。同教授はこれを「集団的知性(collective knowledge)」と、「ノウアスフィア(noosphere・精神界)」という概念で説明する。

人類はインターネットという超現実的な意思疎通の場を設けて、各種の情報と知識を集積して意思疎通ができるようになることで「集団的知性」を実現するようになっており、これの発現を通じて、個々人の精神を一つに結ぶ新しいレベルの「霊性的交流の場(ノウアスフィア)」を実現したというのだ。

高麗(コリョ)大学100周年記念学術大会で「情報の経済」というテーマで、インターネット情報革命の人類学的かつ文明史的意味を発表した同教授を、金聖道(キム・ソンド、言語学)高麗大学教授が会見し、25日午後、高麗大学のウダン館で対談を行った。

▲金教授〓今度の高麗大学100周年記念学術大会で、あなたはもう人類が新しい文明の中に進入する過程にあると指摘した。そしてこのような新しい文明を「情報経済(Economy of Information)」という概念で特徴付けた。

▲レビー教授〓経済(economy)と生態(ecology)は「家」または「共に生きること」を意味するギリシャ語から出た。そのような脈絡で、情報経済とは情報のマーケティング及び消費のような狭い意味ではなく、人間の各種の考え方の生態学を示す言葉だ。世界化の文明とともに技術、宗教、政治などすべての人類の思想とアイディアが相互作用することができる世界的レベルの共通したエコーシステムが現われたのだ。これは、まるで人類が農作物を栽培して家畜を飼って生物学的生命を制御することができた新石器革命と比較することができるもののようだ。ところで、今は象徴的生命と文化的生命を制御することができるようになったのだ。

▲金〓あなたは今度の講演で、新しい文明の中で韓国は特権的な座を占めるだろうと予想した。このような主張の根拠は何か。

▲レビー〓韓国は新しい情報テクノロジー領域で他の国に比べて遥かに多くの使用者数を誇っており、超高速インターネット網を含めて情報インフラの構築が卓越だ。韓国が持った文化的開放性も重要だ。韓国は科学、技術、宗教など西欧の文化全般を開放的なマインドで受け入れただけでなく、これと同時に東洋の文化的伝統と根幹を保存しながら、東西文明の素晴らしいバランス感覚を持っている。まとめて言えば、韓国人のこのような文化的混用と知識に向けた開かれた心を、その根拠に提示することができる。

▲金〓人文学の核心的概念であるテキスト概念は、サイバー空間の世界で解体されるのか。より具体的に本の運命はどうなるのか。

▲レビー〓本とテキスト概念を区別しなければならないだろう。テキストの特定媒体と形式としての本は完全に消えなくても、その影響力を喪失するだろう。活字の役割は弱くなるだろう。しかしテキストは消えることができない。テキストの文明はもう渡来したばかりだ。時間と空間を越えて移動することができるし、すべての人々がお互いに共鳴を与えることができる「意味の地帯」が開かれている。

▲金〓あなたはウェブが人類コミュニケーション文明の変遷を完結していると言った。すべての資料が仮想的に相互連携されて、すべての人類の記号が相互作用することができる能力を獲得したというのだ。もしそれならこれは人間言語の窮極の段階か。

▲レビー〓そうではない。デジタル化は決して終わったのではない。まだ大部分の活字資料はデジタル化していない状態だ。始まったばかりの段階だ。まるで農業の初期段階のように、特定の土壌で米、小麦、トウモロコシなどどんな作物がうまく育つかが分からなかった状態のように、ウェブの空間もその潜在力を知らない状態だ.

▲金〓あなたはサイバースペースとウェブを指してアイディアの生態システムという表現を頻繁に使う。しかし、ウェブとインターネットが考えたとおりの「親生態的」のようではなさそうだ。ゲームにはまって社会的、情緒的人間性を喪失する若者たちが出てくる。

▲レビー〓私が言う生態システムは価値判断を伴う概念ではない。米国と欧州でもビデオゲームに沒頭して家族との食事を拒否する子どもたちが増えている。しかし、シミュレーション・ゲームを見れば、多くの人々が同時に参加することができるゲームが存在する。それなりに複雑な戦略が求められ、学習と労働に対する概念が求められ、それなりの審美性を取り揃えている。私はこのようなゲームの中で新しい公的空間の創出可能性と新しい社会化の過程を目にする。



權宰賢 confetti@donga.com