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[社説]鄭東泳長官の平壌行きが上位目標ではない

[社説]鄭東泳長官の平壌行きが上位目標ではない

Posted May. 18, 2005 22:34,   

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16日から開城(ケソン)で開かれた南北次官級会談は、事実上「肥料を与えるための」会談に終わる公算が高くなった。北朝鮮側は3日間の会談で、核や6者協議復帰問題に対して徹底的に背を向ける態度を見せた点から、今日発表される共同報道文に、同内容が言及される可能性はなさそうだ。北朝鮮側は10ヵ月ぶりに開かれた今回の当局者会談を、はじめから「実務協議」と規定することで、肥料の援助を得ることが第一目標であることを明確にした。

もちろん、韓国側も「贈り物」を得た。6月中に南北閣僚級会談を開催し、6・15共同宣言5周年を記念して平壌(ピョンヤン)で開かれる統一大祝典に代表団を派遣するという原則的合意である。南北関係が、長期の硬直局面を脱することができずいた点からも、閣僚級会談再開の意味を過小評価することはできない。

問題は優先順位だ。会談当初から韓国側は、閣僚級会談の開催日の確定と、鄭東泳(チョン・ドンヨン)統一部長官を団長とする代表団の平壌行きの実現を「現実的目標」として、これに交渉力を集中させたという。当初の「北朝鮮核問題解決と、そのための6者協議への北朝鮮復帰」の糸口を見出すという政府側の公言は、空振りとなった。与党の有力な次期大統領候補に数えられる鄭長官の平壌行きを実現することが、今回の会談の主な目標だったのなら、これは本末転倒である。

これまで南北関係は、実質的な進展よりも、イベントに偏った様相を見せてきた。6・15統一大祝典に参加しようと、与・野党政治家たちが過熱競争の様相を見せているのも一例である。北朝鮮側は、韓国側のこのような政治的行動を見透かしている。北朝鮮側が昨年11月に訪朝した韓国要人に、「鄭長官は北朝鮮の地を一度も踏んだことがない統一部長官になる」と流したことも、政治家である鄭長官の焦りを読んで、手なずけようとした側面が大きいというのが定説だ。

そうであるのなら、「言うべきことは言って、受けるものは受ける」という原則に徹した対北接近をしてこそ、自分たちの分が得られるというのが過去の経験である。政治的意図が先行したイベント性アプローチは、結局北朝鮮側に利用されるだけだという点で禁物である。